一番暑い時期と一番寒い時期は家事をサボってネット視聴や読書三昧、と思っていたのですが。
楽をすると、てきめん健康に響いてきます。
まず、睡眠の質が落ちる。(夜中に何回も目がさめる)
動いていないので痩せているくせにお腹だけポッコリ出てくる。
掃除する気も起きないので(暇なのに)ホコリがうっすらと積もってきます。
部屋数が多いので誤魔化せていますが。(自慢じゃないですよ、田舎なもんで家が大きいのです)
そして恐ろしいことに自信のあった足腰が不安定に。起き抜けにちょっとよぼつきます。
短期間にこんなに老化が進むとは。
いかんいかん。
仕方がないので働きます。家事だけど。体操もしなくっちゃ。
夫が亡くなった主婦、さあ自由です。という訳にもいかないようです。
思い出すと定年後、やる事がなくなった夫。アルバイトをやってはすぐに辞め、ボランティアに入ってケンカをし、シルバー人材センターに登録して、仲間の人たちと揉め、町内会で殴り合い寸前になり、
うーん、気が強いわね。こんなだったかしら。
若い頃からそうだった気もするけれど。
などと言っている場合ではありませんでした。
お酒を呑むのが大好きな夫。歌が上手で、呑み屋のカラオケのスターだったようです。チヤホヤされるので、あちこちの呑み屋の常連だったのですが、そこでもケンカをしてきます。
ただ、最後の理性だけは利いたようで大ごとにはなりませんでした。
呑み屋は気に食わなければ店を替えればいいし、生活がかかっていない定年後のアルバイトなので嫌になったら辞めておわりです。
結婚当初から家事には一切触れなかったため、定年後も家で特にやる事がありません。
以前、ゴミ出しをしてやる、と言われてやってもらったら、家中のゴミ箱にゴミが残っていました。
今でいう所の ❝ 名もなき家事 ❞ 、ゴミと言うゴミを探し出してゴミ袋に入れる、と言う行為が面倒くさかったようです。
「蛍光灯が切れているから換えてくれ」
と言われたこともあります。たいがい言われる前に換えていたので軽い気持ちで言ったと思われますが。それはお前が換えろ。
高所恐怖所だから、と言い訳されました。
トイレットペーパ切れてるじゃん、
と怒られた事もあります。たいがい切れる前に補充してましたから。
昔の女なので。
「ウンコがデカ過ぎなんじゃないの」「さて、スーパーに買いにいって来るか」
とは言ってやりましたが。
わりと今どきの女なので。
やる事がなくても探して何かしよう、ともしなかったため、だんだん布団から起きなくなってきます。
起きている意味がないそうなので。
TVで韓流ドラマと時代劇を見、通販番組で何かを次々注文。
「金なんて使わなければ意味がない」
とアラブの大金持ちみたいなことを言うのですが、まあ、それもそうね、と思ってしまいます。
健康診断の予約をしてもキャンセル。
たぶん悪い数値が出て、食事制限するのがいやなんだろうとは思いますが。
「寝たきりで入院するくらいなら家でのたれ死ぬ」
わたしの両親が医者の言う事を聞き、長い入院生活の後に亡くなっているのを見ての発言なので、そう言われると、
そうかもしれない。
と納得してしまいます。
でも、昨日までピンピンしていて、いきなり死ぬわけじゃないんですよ。
ちょっとずつ色々な事が出来なくなっていくのです。
悪い所ばかりではありませんでした。
陽気で、面白い人でした。
ケンカをしても翌日には話しかけてくれます。
ただ、嫌な事はやりたくない見たくない、弱い男だったんだなあ、と思います。
死ぬまで元気でいたかったら、多少面倒くさいこともやらないと駄目なんだ。
亡くなった夫から学んだことでした。