シナリオ始めました

初めてシナリオ書きました。誰かに読んで貰いたいので、ブログで公開します

母親の条件

 娘も息子も孫娘も冬生まれです。

 初めての妊娠は24歳。

 わたしは見た目ガリガリで、顔色も青白いですが、病気をしたこともなく、まあ、健康なほう。大食いでお酒に強く日常のテンションも無駄に高いです。

 初めて行った母親教室。ビタミン添加押麦をここで知りました。

 ビタミン剤など呑んだことはありません。栄養が足らないと思ったことが無いのです。

 ビタミン足らなかったら足せば良いらしい。足らないかどうかはさておき、さっそくビタバァレーをお米に混ぜて炊いてみます。

 新米妊婦、栄養指導士の言いなりです。

 鉄分が必要だと聞けば一番鉄分の多い豚レバーを3日に1度は食卓にあげます。

 貧血じゃないんですけどね。生まれつき色白で顔色青白いですからね。

 のちに初期の過剰摂取が胎児に良くないことが判明。

  妊婦に良い事、子育て法は、何年かごとに変わって行きます。情報に振りまわされると痛い目をみます。

 当時住んでいたアパートから歩いて5分の勤め先の社長から

「じゅんちゃん自転車に乗っちゃダメじゃん」

 と言われ徒歩で重たい買い物袋を抱えて帰宅します。

 何かみんなうるさい。

 重いもの持った方がダメなんじゃない?

 

 近くの産院のほうが便利だと思ったのですが、ここで母親の横やりが。

 

 実家に近い国立病院で産んだほうが、近いし面倒みてあげやすい」

 まあ、いいですけど。妊婦が母親の見舞いの都合に合わせる世界線

 そんなに遠くもないし、帰りに実家に寄ってお喋りして、帳尻を合わせます。

 

 そして戌の日のお参り。

 なにその丑の刻参りみたいな名称。

 怒られました。

 安産祈願のお参りだそうです。腹帯も買って、以降これを締めるのだそう。もちろんお腹に。のちにデパートの妊婦コーナーで腹帯のコルセットタイプやマタニティガードルを発見。

 こんなんあるなら言ってよー。

 毎日巻くのが大変だったのよ。ときどきほどけてずるずる引きずってましたからね。

 母親の知識は25年前の知識でした。

 

 夫は夫でわたしの妊娠を良いことに食べたいだけ食べて、妊婦のわたしよりお腹が出てきてムカッ。

 こっちは出産に備えて妊婦体操までしているのに妊娠もしてないのに太り。

 わたしは元が痩せているため臨月直前までお腹が目立たず、

 「ダイエットでもしてるのか」

 とあらぬ疑いをかけられたりしているのに夫かまわず激太り

 

 夫の実家で義母につわりは大丈夫?と聞かれ。

 「全然大丈夫です」

 と言った直後に吐き気を催し、食べた直後の大皿に食べたばかりのもの全てを、いきなりリバース。

 

 良かった、ちょうど大皿があって。

 良かったじゃないわ。

 中身をこぼさない様に流しまで運んで空けたのですが、それ以降その大皿のゆくえは分かりません。

 

 まだ勤めていたのですが、事務所の取引先で謎のマウントをとられたり。

 妊婦でもデザイン(広告デザイナーだったのです)くらい出来るのよ。一流じゃないけども!

 

 高校生に自転車で追突されたり。されて「あ、すみません」で済まされたり。

 普段なら追っかけて行って殴ってやるのですが(ウソ)

 いえ、お腹が大きくて走れなかっただけです。さすがにお腹の子が心配で泣きそうになりました。大丈夫でしたけれども。高校生、わたしのほうを見もしません。

 高校生、ぶっ殺す!

 妊婦が物騒なことを言ってはいけません。

 おまえ、一生ドリアンみたいな臭いのワキガになれ。

 

 ただ、初産は予定日より遅れると言われていましたが、アレコレあったせいか予定より早く陣痛がきてしまいました。

 その前に予定日の基準になる最終月経日の記憶があいまいでした。

 出産は普通に痛かったです。痛みが全部腰にきて、以降腰痛持ちに。約束どおり母は何回も見舞いに来てくれました。

 ただ、謎なのは夫がすぐに来なかったこと。

 そんなに遠くはないし1時間あれば駆けつけられるはずなのですが、半日以上たっても来ないのです。

 家も会社も病院も同じ豊橋市市内です。いったん東京駅を経由してから駆けつけてくるつもりなのか。

 よし、殴ろう。理由も聞かず殴ろう。

 やっとやって来たときには3時間おきの授乳でめちゃくちゃ眠かったので怒るのを忘れてそれきりです。

 未だに理由がわかりません。

 2人目のときは、呼んですぐ来なかったら毎日あいさつ代わりにそのことを言う、と脅したら付き添ってくれました。

 

 今は知りませんが里帰り出産でそのまま1か月くらい実家に滞在というのがわりと普通でした。普通ってなんだ。人それぞれですよね。

 

 赤ちゃんは抱きしめると真っ黒な瞳でこちらを見てくれます。

 手と足がちっちゃい。もう可愛すぎる。

 永遠に見ていたい。言い過ぎた。1時間半くらい見ていたい。

 わたしを目で追います。

 力んだ顔が当時の首相、大平正芳氏に似ていたため、大平ちゃんと(仮名)呼ぶことに(コラ!)

 当時していた事。

 同じ方ばかり見ていると頭の形が悪くなるので、頭の方角を見る度に替える。

 寝息がひそやかすぎて、耳をあてて息を何回も確認。

 首まわりや指のあいだの謎のホコリを見つけ死ぬほど探す(まだ、臍がぐじゅぐじゅしていました)

 そして、天井の照明を見つめる我が子の目が心配になり、電気を消す。

 足音で起きないように忍び足。

 乳の出が不安なため、母乳マッサージ(エロくない)を呼ぶ。

 ※一回だけです。あとはやり方を真似して自分でやった。セレブママじゃないですよー。

 母に教えてもらい、お風呂に挑戦します。

 わたしも緊張していますが、赤ちゃんも緊張しています。不安なのか、ちっちゃなおお手々をグーで握りしめたまま開きません。指の間のワタボコリの原因が分かりました。コラ、開け。中々がんこです。

 ワハハハハ。

 髪の毛はオールバック肌はピンク色、お湯に入れると何か別の生き物になっています。

 赤ちゃんに毎日囁きます。

 「ばぶー、ママですよー」

 恥ずかしくない。

 ほかの人達も赤ちゃん相手に名乗りをあげていました。みんな一時的に馬鹿になったらしい。

 子供を見まもる人が大勢いると安心です。洗濯は自分でしましたが、それ以外はせず、ご飯も作ってもらっていたら、

 「あんた、いつ帰るの」と言われました。