シナリオ始めました

初めてシナリオ書きました。誰かに読んで貰いたいので、ブログで公開します

映画 あの花の咲く丘で君とまた出会えたら を観たぜよ

 映画あの花の咲く丘で君とまた出会えたら、大ヒットおめでとうございます。

 試写会が当たって、先に観たひと。初日の一番上映で観た人。

 そして、インフルエンザがうつるかもしれないと人混みを嫌って平日のお昼に観に行った人。わたしのことですが。

 Xで映画観賞チケットを披露される方も。

 その中にシルバー料金1,300円の文字を見つけると安心します。仲間です。

 

 ファンミーティングには行きませんが、おもにアンケートに応募したり伊藤さんの出演映画の感想などを書いて投稿するのがわたしスタイルの応援の仕方です。

 正直、泣ける映画と言う謳い文句には惹かれないタイプです。

 簡単には泣きません。

 原作の小説は読んでいるので内容は知っています。

 あの文庫シリーズ、タイムスリップだらけでちょっと食傷ぎみです。

 今ラノベ界隈は、異世界転生、中国宮廷もの、タイムスリップであふれています。

 

 ただ、他の作品とひと味ちがうのは戦争をあつかっている点です。歴史をあつかうには下調べが必要なのです。

 映画レビューで戦中の食糧事情や特攻機にかんしての投稿で本作の批判をしている方を見つけると、あまりに堂々とした知ったか振りにビビってしまいます。

 わたしも、もはや戦後生まれでもありません。親やそこら辺のおばさんの体験談は聞いていますし、子供のころは、今よりずっと戦争物ドラマはありましたが、語れるほど詳しくもありません。

 なんにしろ体験していないのは今の子と一緒です。

 このブログも少し、戦中の暮らしや特攻隊を調べてから挑みました。わたしの知識は ❝ 伴淳の二等兵物語 ❞と戦闘機漫画ですから。

 

 映画は原作小説と同じく、主に令和の女子高生、百合(演/福原遥)の視点で進みます。

 福原遥さん、今まで美人とは思ってなかったのですが、綺麗でした。モンペがオシャレに見えます。清楚で映画を象徴する百合の花にふさわしい人です。

 百合は自分の意見をはっきり言えるタイプ。

 言論統制きびしき戦時下の1945年にタイムスリップしてもそこは変わりません。

 いえ、戦争反対を大っぴらに表明することは出来ないのです。

 憲兵が目を光らせ、英語(敵性語)はだめ。派手な洋服もだめ。男女が仲良さそうに歩いても浮ついている、と殴られます。これは昔観た戦中ドラマの知識ですが。

 堂々と、知ったかぶりしちゃいました。

 

 百合は偶然、佐久間彰(演/水上恒司)という特攻隊員に出会います。

 さっそくイケメン、高身長の、軍服が似合う坊主男登場です。

 彰くん、女子にキャラメルをあげたり、名前で呼んでくれないかなどと言ったり、結構積極的に見えます。ここはファンタジーなので細かいことは抜きです。

 どちらかと言うと石丸(演/伊藤健太郎)の方が昔の男キャラのような気がします。

 普段陽気でも、女性相手にはウブ。魚屋の千代(演/出口夏希)の思いに気づいても手作りの人形を受け取るのが精一杯。不器用さが観客の女性陣の心をつかみます。

 もちろん、イケメン高身長いい声坊主です。

 予告編で「早く飛びてえな」と語っているシーンがあり、本音を言わないのか、軍に洗脳されているのかと映画を観るまでは思っていましたが、違いました。本編で通してみると石丸は彰に本音を語っています。

 百合が警官に対して叫んだ時のセリフも予告編の切り取られ方で、考えなしに叫んだのかと思っていました。通しで見ると令和人の彼女が、正しいことを言って責められる、時代の理不尽さに次第に高揚していったのが分かります。

 空気が読めないわけではありません。戦中のことをよく知らず、咎められる理由が分からないのです。

 対して、千代は昔の女学生らしく、なかなか恋心を伝えられず人形さえ渡せないほど恥ずかしがり屋です。

 隊で一番年少の板倉(演/嶋崎斗亜)は最後に突然本音をぶちまけてしまいます。

 原作を読んだ時にこの役を演じる人はもうけ役だと思っていました。嶋崎斗亜くん、役目を勤め上げました。

 他の方の演技もはまっていて良かったのですが、特に百合のお母さん(演/中嶋朋子)には泣かされました。

 

 空襲の中で、百合が反抗していたはずの母を呼ぶシーンがあります。

 そこで泣きました。母ですから。 

 JKやJTは時空をこえた恋に泣くけどね。男子は隊員たちの別れのシーンかしら。

 

 終戦直後、空襲で焼け野原になった大地からすぐに立ち上がったわたし達の祖先の力強さ。けっして世界銀行からの復興支援があったからだけではありません。アメリカの自由にあこがれ、努力したから今があると思うのです。

 

 軍隊体験者の父は ❝ 伴淳の二等兵物語 ❞ と ❝ ビルマの竪琴 ❞ が好きでした。

 ❝ 人間の條件 ❞ や ❝ 私は貝になりたい ❞ などは

 「リアルでつらいから観たくない」と言って観ませんでした。

  加害者でも被害者でもある戦争の残酷さ。当事者でなければその痛みは分からないのかもしれません。

 

 リアルさを求める向きにはものたりないかもしれませんが、この映画は戦争映画入門であり、細かいことは言いっこなしです。

 そして、自分の好きな人が自分を好き、と言う、ストレートなラブストーリーとしても楽しめます。

 

 大事な人が死ぬかもしれないから戦争は反対。それでもいいんじゃないでしょうか。