2年ほどまえ、TVの報道番組でとあるお寿司屋さんがニュースになっていました。
女性だけのお寿司屋さんです。店主は特にいなせでもキャピキャピでもない、普通の中年女性です。
記者の、
「どのくらい修行したのか」
との質問に、いえ修行はしていない、と。
お寿司屋の娘さんでもありません。
わたし、お寿司好きだから。と言う理由。
寿司学校で3か月学んで(ちゃんと卒業)開店したそうです。
見ればちゃんとしたお寿司です。
わたしの中の寿司屋のイメージが崩れていきます。
女なんかに寿司が握れるか!by昭和の頑固おやじ。
とまで言われていた寿司職人。10年ぐらいは修行するだろう、と思っていました。
ご自分が店主ですから、誰も文句は言いません。まあ、お客はそもそも握る人の性別を気にして食べるわけでもありません。
お客さんへ記者のちょっと意地悪な質問。
「職人さんが全員女性でどう思われました」
清潔ですし、店員さんは頑固ではなく(そういうプレイが好みの人は別だが)全員感じもよくて、間違いなく美味しくてむしろ女性でOK、だそうです。
聞いたか、頑固じじい。
しかし、最近さらにわたしの古くさい常識を飛び越えた人が。
修行0日。寿司屋をオープンして、1週間たってから、さすがに握り方を覚えなきゃ、と思い立ち、ネットで寿司の握り方を観ながらお寿司を握っているチャラチャラ系の若い男性の寿司職人さんです。
お客さんの反応も上々です。ネットで握り方観ただけなのに。
その人、修行0日ですよー。
ネタがいいんです。お値段もお手頃なんです。すでにリピーターが来ていました。
だっておれ、寿司、好きだから。
お泣きなさい、10年修行した方々。
素人とプロという住み分けが無くなってきたのでしょうか、そういえばお蕎麦屋さんとか、ラーメン屋さんとか、一時脱サラで始めた方たちもいらっしゃいましたね。
料理研究家という謎の職業もありますし。
寿司屋だけが無理!という事もないでしょう。
何なら、スーパーで売ってる市販品もYouTubeで見て再現できるらしいです。中でも、スポーツドリンクは簡単に手づくり出来そうです。水、砂糖、塩。その配分だけです。
買うよりずっと安上がり。
作り方を検索してみました。
出典元/いらすとや
分量だけ見れば大丈夫なんですが、1回くらい作り方のYouTubeを見ておこう、と思って探すと、結構あります。少しずつ違う作り方のものが。
こういう時、ちょっと長めのものを選んでしまいます。内容があるかと思って。
3分もあれば出来ると思うのですが、一つだけ10分以上の動画があったので、それを観ることに。保健所の職員みたいな、白衣を着た中年女性の凸凹二人組です。
どこかの教室で作ってるようで、子供たちがワチャワチャしています。
用意が遅い。
用意してからカメラを回せ。
しかし、女性たち、全然気にしていません。
もたもたもたもた。5分以上かけて水、砂糖、塩、空のペットボトルを用意。
何人分作るつもりなのか、パン屋が小麦粉を量るようなデカい秤で量ります。
分量を量ったら混ぜ合わせるのですが、それで終わりじゃありません。
「このままだと美味しく飲めないので」
と、最後にオレンジジュースを入れちゃいました。
コント師ですか。
あれは阿佐ヶ谷姉妹の親戚の方たちだったかもしれません。
突然ですが、わたしは道を歩いていて個展があればのぞくほうです。素敵な作品との出会いがあるかもしれませんし。
8畳くらいの小さな展示室、作品はそう多くないのですが、入口にも1点、作品が展示してあり、ちょっと普通ではないファッションセンスのおばさまが、二人の女性に作品の解説をしていらっしゃいました。
作者だ。分かります。ただものではない雰囲気です。
ちょっとお話聞きたいな。
ところが驚いたことにその女性、二人が中に入っていくと、鞄を持って通り過ぎて行ってしまいました。
作品に関係ない赤の他人でした。
今の解説は何だったのか。本当の作者は大学生ふうの女性でした(中にいた)
そのジョーク、いつかわたしもやってみたいと思います。
ふざけた人たちが羨ましいです。殴られなければ。
死ぬ直前に何かふざけた仕掛けを残してから死にたい。今から考えておきます。