先日羽鳥慎一モーニングショーで、公道につながる私有地道路を塞いでいた男性と公道を通したい市側が和解した、というお話を扱っていました。
公道が私有地だった、という話は全国で発生しているそうです。中には、私有地に勝手に道路を通されたうえ、長年に渡って固定資産税を払わされていたという例も。多くの自治体では、実態の把握などは先送りにされているのが実情で、発覚しているのは氷山の一角とみられているそうです。
ニュースで扱われた件。
市が生活道路として通した道路の一部が、あるお宅の私有地を通っていた事が発覚。私有地に勝手に道路を通された男性は激怒。市側に猛抗議しましたが、話し合いがつかないまま年月だけが過ぎて行ったそうです。
持ち主の男性の怒りは時と共に次第にエスカレートしていきます。
男性が公道につながる私有地の一部に通行禁止の立札を数個設置し、通行できないようにコーンやバリケードで塞ぎ、監視カメラまで設置。すぐそばの男性の土地に監視小屋を建て、24時間体制で持ち主の男性が見張っていたそうです。
ご自宅があるのに、プレハブ小屋に24時間住み込んで不法侵入者を監視。
聞いただけでその労力に絶句。
不法侵入した人を見つけたら通行料を徴取。通行料も500円→1万円→5万円とエスカレートしていったそうです。
うっかり侵入した方がいらして、5万円取られたとおっしゃっていました。退却しようとしたら遮断機が下りてきて5万円払わないと出るに出られなかったそう。
まあ、人んチに侵入したから不法侵入と言われれば不法侵入ですが。
その方は5万円持ってない、と言ったら、車を残してタクシーを呼んで近くのATMで下ろしてこい、とかなりの剣幕。
下ろしてくると言って逃げられた経験があるんでしょう。
まあ、逃げるでしょうね。数個の立ち入り禁止の立札を無視できる人なら。
タクシーを呼んで近くのATMで下ろしてきてまたタクシーで戻り、料金を払って、やっと帰してもらったそう。
世の中には、絶対なあなあでは許さない人たちがいます。
わたしも、庭に見知らぬ車に侵入されたら嫌ですけれど。謝られたら許すでしょう。
よく、駐車場に無断で停めたら罰金1万円いただきます、と書いてある立札を見かけますが、払った人いるんでしょうか。払ったとしたら、その顛末を知りたいです(興味本位)
しかしこうなると、いくら男性の主張が正当でも世間の見る目が変わり者扱いになってきます。
市と土地立ち退き問題でもめてから15年間。
この度土地を市側に売却することで解決したそうです。
市道の一部私有地発覚で市側が提示した最初の買い取り値が1千万円。今回、1900万円で決着しました。
男性の闘争の15年間が900万円の値打ちだった、とも言えます。
バブル期ではないのです。そんなにお金持ちの自治体ではないのでしょう。
彼が正しいとしても、彼の失った時間が勿体なさ過ぎて呆然とします。
たとえば、男性がどこかの有人駐車場の管理人をしていたらそれ以上稼げたでしょう。ちゃんとしたお宅があったようです。お家で身体も休めただろうし、心ももっと穏やかでいられたのでは?と言うのはおおきなお世話でしょうか。
あくまでもお願い、という形ですが、私有地の一部を道路に無償で自治体に提供させられる、という話は身近でもけっこう聞きました。生活が便利になるための自宅近くの道路拡張なので何となく釈然としないまでも、まあしょうがない、道路舗装してもらえるしね、と納得して土地の一部を ❝ 寄付 ❞ していったのです。
人々が釈然としないのは、鉄道や高速道路のための土地を売却して、大儲けした方を見たからではないでしょうか。
全国の道路を私有地だと主張している皆さん。こうやって別の視点から見てみると違う感想を抱きます。相手が自治体なら、きっと正当性をみとめてくれる。などと考えたら大事な人生の時間を失ってしまうこともあります。
ごね得ならぬ、ごね損です。
コメンテーターの玉川徹さん、ライフワークになってしまっている、とおっしゃっていましたね。
判断するのはご自身ですけれど。