まんが道(1) (藤子不二雄(A)デジタルセレクション) Kindle版
形式: Kindle版 ttps://www.amazon.co.jp/まんが道/s?k=まんが道
NHKの再放送で藤子不二雄(A) のドラマ版 ❝ まんが道 ❞ を観ました。
満賀道夫(我孫子素雄モデル)と才野茂(藤本弘モデル)二人の出会いから上京までを描いたあすなろ篇。上京して引っ越し、売れっ子の仲間入りをする青春篇がドラマ化されています。
漫画では、さらにその後を ❝ 愛…しりそめし頃に… ❞ で描いています。
フィクションを交えてのストーリーですがかなり実話だそうです。
藤子不二雄は少年むけSFを得意とする藤本弘( 藤子F不二雄 )と、それより少し大人びた作風の我孫子素雄( 藤子不二雄A )の共同ペンネームです。まんが道は我孫子側から見た彼らの青春物語です。
漫画家はずっと漫画ばかり描いているからドラマにならないか、というわけでもありません。ゲゲゲの女房の水木しげるなんてかなり面白いですから。
2人の強みは2人で1人だということ。
あてもないのに無計画に(貯金4万円)上京。2人で2畳の下宿。それでも出版社を回り、カットなどを描かせてもらったり。手塚治氏の手伝いをしたり、まだ売れない日々も、2人だとかなり能天気に乗り切ります。二人ともお気楽な性格でお人好しで夢想家です。
その性格は彼らの漫画にも表れています。
ドラマの中で2人が2畳の下宿から、かの有名なトキワ荘へリヤカーに荷物を積んで引っ越すシーンが印象的でした。
まだ何者でもない二人。でも煌きに満ちています。
その頃漫画界も変革期を迎えます。雑誌が続々と出版され漫画界も新しい人材を求めていたのです。2人は才能を認められ、次々と仕事が舞い込みます。漫画家としては順調な出世ぶりですが、今度はタイトなスケジュールに苦しめられます。
開けても暮れても漫画を描くだけの日々。漫画が大好きだった二人にちょっとだけ闇がやって来ます。
大量原稿落とし事件です。
久しぶりに里帰りした途端に描けなくなってしまった。
次々と舞い込む催促の電報。描けない。しかし、今度はそれもパタリと来なくなる。
完全に業界から見限られてしまったのです。
やがて、彼らは乗り越えるのですが、
この危機は2人だったからこそ乗り切れた気がします。そして助けてくれる仲間がいた。何か昭和の典型的なドラマのようですが7割が実話ですからね。
最初から売れた天才漫画家にも挫折があります。
そして、やがてやって来る漫画の新しい波( 劇画ブーム)に天才手塚治も苦しめられる事になるのです。
創作の世界は喜びと苦しみに満ちている。