シナリオ始めました

初めてシナリオ書きました。誰かに読んで貰いたいので、ブログで公開します

断る!技術

 人は一生の間に、何回断るんでしょうか。

 日本人は NO と言えない民族だと言われています。

 ”NO と言える日本”(石原慎太郎/盛田昭夫共著)と言う本が出たくらい、NO と言えません。

 わたしも断るのは下手な気がします。『何か嫌そうだな、と言う気持ちをくみ取れよ』というのが日本人でしたが、最早通用しません。

 

 結婚してアパートに住み始めたころから既に始まりました。

 〇クルトどうですか、〇〇新聞取ってください。

 すぐ、取ります。新妻ですから。

 お宅、NHK  受信料まだ払ってませんね。ダメですよ。払います。加入します。いちいち来ないでもいいように通帳引き落としにしときます。

 わたし、朝ドラも大河も朝のニュースも見ていませんでした。

 すっごいカモだと言う情報でも出回ってるのでしょうか。

 下の子が1歳になる前に一軒家に引っ越すと今度は子供関連の売り込みが始まりました。

 入るのが当たり前のような顔をして学資保険の勧誘が来ました。

 入りました。入るのが当たり前なんですよね?

 3つも入っちゃいました。保険のおばさんが近所の人だったんです。

 上の子の時は難を逃れたママ友コネクション、息子は目立つ男です。来るなとは思っていましたが、家にいる、と言う理由で役員の仕事も回ってきます。引き受けます。断る理由がないのです。

 そして、ホームパーティと言う名のセールス大会が始まります。

 その時買ったタッパー、今でも家にあります。30年もつ、というのは本当でした。

 でも、安いシール容器も30年もっていますが。

 義理で買った口紅は腐ってしまいました。1年に1回くらいしか使わなかったので。

 ずっとスッピンだと見ればわかるだろー。でも、腐るという事は安全な化粧品だったんですね。

 ひと瓶3000円の万能洗剤、凄くいいのよー。

 高いよ!

 マルチ商法じゃないと言ってましたので、多分マルチまがい商法です。ホームパーティにお宅を貸した奥さんは末端の販売員になったもようです。止めはしませんが。

 その頃になると段々、知り合いだろうが何だろうが断れるようになってきます。

 この辺で止めとかないと一生カモです。と言うかわたし、元々断れる人間でした。ただただ、いい人に見られたかっただけなんです。格好つけはやめました。

 

 青森から来たんでリンゴ買って下さい。交通費が合わねえ。

 人の好い近所の奥様方が結構買っていました。わたしが買わなくてもいいよね。

 あの有名なカルト宗教の信者の方がおつまみセットを売りに3回はいらしています。当時はもちろん事件まえです。おつまみセットの歌まで歌っていきました。

 早く帰ってください。

 コンゴの留学生を連れたコーヒー3点セット売り(実質3杯分)も何回かやって来ました。だんだん。手がこんできました。

 学習教材、生命保険、ファックス、高級羽毛布団(何回でも直しに来てくれるそうです)もう、今すぐ必要なものでも買いません。

 そして段々セールスが来なくなりました。

 家の郵便受けに謎の記号が書いてあるのを見つけました。

 「何か落書きした?」旦那に聞いてみました。

 していない、との答え。

 あれは、この家は何も買わない、と言うセールスどうしの符丁だったのではないのでしょうか。