わたしが10代の頃の漫画入門書と言えば石ノ森章太郎(当時石森章太郎)の ❝ 漫画家入門 ❞ でした。※1965年発表。
石ノ森章太郎のマンガ家入門 (秋田文庫)
文庫 – 1998/10/10 石ノ森 章太郎 (著)
当時、漫画の入門書はいくつもあったと思います。
でも、とびぬけて石森章太郎なのです。
どこの誰だか知らない人では説得力がありません。
一流どころが入門書を描いた。お手本の短編漫画つきです。
そして、石ノ森さんの漫画にたいする熱い心も感じられ漫画入門書としても読み物としても入門書の最高傑作となりました(わたし的感想)
当時の漫画家志望の少年少女はまず、これを読んだと思われます。
ひとり同人誌を描いていたわたしもこれを読み、漫画家を目ざしました。
今は描き方も書籍の売り方も違うので、今から漫画家を目ざす人は描き方の参考にはなりませんが、読み物として読んでも面白いです。
わたしの投稿人生もここから始まります。
真田広之さんの映画で主人公が中国人老師から、「望みを持つもの苦をも持つ」と言われるシーンがあります。
わたしも望みを持ったため、苦しみも持つことになりました。
何回投稿しても当選しない。才能を認められない。引き際も分からない。
それは、自分の才能を全く疑っていないからです。もう、どうしていいのかも分かりません。
結婚を機に描くひまもなくなり、子供も生まれて大忙し。やっと漫画を描かない日常がやってきました。
しかし、当時はまっていたBL小説の老舗雑誌 ❝ 小説JUNE ❞ で面白いものを発見してしまったのです。
雑誌の名物コーナー、❝ 中島梓の小説道場 ❞です。
この雑誌には素人がBL小説を投稿するコーナーがあり、売れっ子小説家の中島梓さんが寸評をくださり、面白いものは掲載もされるというもの。
世間知らずのみなさん、トンデモナイものを書いて投稿してきます。それがおもしろくておもしろくて。涙を流して笑いました。
他人の事は言えませんが。
BL小説といっても書き方は一般の小説と一緒です。
ここで教えて下さる書き方で小説の書き方を知りました。
覚えたてですが、さっそくトンデモ小説を応募しようっと。
※すでに小説推理には応募していた(2次選考通過)日本語は書けるので。ドッペルゲンガー殺人事件みたいな馬鹿タイトルだったような。
わたし、物語を描くのが好きなんだなあ、と思いました。もう希望も苦も関係ありません。
たとえば、ひらくと言う言葉。
難しい漢字を並べると読者が読みづらい。ひらがなに直す、という意味。
同じ言い回しを多用しない(単調になるから)
視点をコロコロ変えない、などかなり参考になりました。
読点の使い方を知ったのもここから。
ルールがあるのだと思っていました。使う場所は自由。自分が、区切って、読んで、欲しい、ところに、打てば、よい、のだとは知り、ませんでした。
あまり多用するとうるさいです。
その後、小説道場には4編ほど投稿し、JUNEではなく小説ハヤカワ HI!でデビューしました。