シナリオ始めました

初めてシナリオ書きました。誰かに読んで貰いたいので、ブログで公開します

サイドストーリーなんていらない~後編

前編からのつづき 

 あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

 作/汐見夏樹 出版/スターツ出版文庫

 ここからは小説と映画からうかがい知った、キャラづけです。皆さん、心の中に人物設定がそれぞれあるでしょうから、これは一ファンのわたしなりの登場人物考察です。

 こういうのが楽しいんですよ。

 遊びです(居直り)解釈が違ったとしても許して下さい。

 年齢、環境設定は脇役陣の出番が多かった映画版を参考にしています。

 

 最も立場が分かりやすい加藤(26)

 父親が同じ軍人。かなり地位の高い人で部隊をひきいていたが作戦の失敗で撤退して、敵前逃亡した『卑怯者』とささやかれている。加藤は父親の不名誉を挽回すべく自ら特攻隊に志願した。家族の名誉をしょっているので表向きは戦争をとことん肯定。ひょっとすると、父親に複雑な感情を抱いているかもしれません。

 

 最年少の板倉(18歳) 

 婚約者一家が空襲で被災し、婚約者だけが生き残るも彼女も半身不随になる。彼女を愛していることは間違いなく、当時の主流である親が選んだ婚約者ではないよう。特攻隊は志願したというより、上官の機嫌が悪くなるため無理やりさせられた、と本人も言っている。死にたくない、とハッキリ表明している。当時の志願兵の真実はこんなものでしょう。

 昔のドラマなら軟弱ものとして描かれたかもしれません。この作品の好きなところは、彼が「死にたくない」と人として当たり前の事を言ったことです。間違ったことは言っていません。

 

 既婚者の寺岡(32)

 グループのリーダー的存在。奥さんと生まれたばかりの子供がいる。駐屯地を転々としていて、まだ子供に会っていない。彼は家族の写真をとても大切にしています。本心は板倉より家族を残して行きたくなかったでしょう。その気持ちを去っていく板倉に言うことはない。大人です。

 

 一番背景が謎の戦時中のパリピ石丸(21)

 伴淳の二等兵物語でも描かれますが、戦時中でも陽気な人は陽気です。駐屯地には兵隊さんたちの身の回りのお世話をする女学生のボランティア(そんな言い方はしない)がいたそうなのでの年若い兵隊さんと恋仲になってしまう人もいたでしょう。場の空気も読める気づかいのある人、と可愛い女学生(千代)にもモテています。

 彰を早稲田の学生でインテリと呼ぶところをみると大学生ではないかも。航空兵はエリートなので優秀だとは思いますが。こちらは小説の方ですが彼の家族にあてた遺書からも陽気で気遣いのある性格がうかがえます。お父ちゃんお母ちゃんと本来呼んでいる呼び方の遺書もあるので、手紙でのお父さまお母さま呼びは良家のご子息のようです。つとめて明るくみせる、童貞のまま死す。本当は飛びたくなかったのではないのでしょうか。

 

 生真面目兵士佐久間彰(21)

 すごく可愛がっている妹がいるようです。早稲田の大学生です。女性に対して積極的なのは進んだ思想の持主なのでは、と思ったりもします。百合は間違っていないと言う一方で彼は百合に「逃げよう」と言われて拒否します。負けたら残された日本人が敵国の兵士に蹂躙される。と言うのが当時の思想。いや、いまでも敵国に蹂躙されている国はありますからね。日本は運が良かっただけです。恋をした分だけ、飛ぶのはつらかったでしょう。

 

 妙なもの書いちゃってすみません。

 サイドストーリーを待ちに待った方もおいででしょう。

 わたしにとって小説、映画はひとまずあれで完結です。

 この気持ちを大事にしたいため、スピンオフはしばらく読まないでおこうかと思います。