わたしの住む田原市は日本一の冬キャベツ生産地です。順に出荷出来るように作付け時期をずらして、半年間は旬です。
キャベツは大きい野菜なので1個買うと形を変えつつ、しばらく冷蔵庫の中にあります。
食べ終わるまえに、また、どなたかがくれます。
家に帰るとキャベツが玄関に置いてあるというお宅も。田原あるあるです。
道の曲がり角にキャベツが落ちていることもしばしばです。
段ボールに詰めずに、トラックに適当に積んでいる人がいるからです。カーブで転がり落ちるんですね。
まだ夫が生きている頃、キャベツを3個抱えて帰って来たことがありました。
「キャベツが20個ぐらい転がってて拾ってる人がいたんで手伝ってあげたらくれた」
後から考えたらその人もただ落ちてたのを拾ってただけなのでは?
拾得物横領罪の共犯です。
わたしも、トラックからカボチャが転がり落ちる瞬間を見たときは、手伝わないわけにもいかず、拾うのを手伝いました。と言っても5、6個です。
お礼にカボチャを2、3個くれようとしたのですが、元々落ちてたのは5、6個です。貰う為に拾うのを手伝うみたいになってしまったので、割れて売り物にならないヤツを1個頂きました。洗えば全然大丈夫。
田舎っていいなあ…
まだわたしが 短大生だったころ、通っていた美大もキャベツ畑の真ん中にありました。
月夜の晩に先輩たちがキャベツを盗んで食費を浮かしているという噂がありました。
何かファンタスティック。
そう思ったあの時の自分を叱ってやりたいです。
今、農家さんが丹精込めた野菜を、トラックで乗り付けて堂々と大量に盗んでいくニュースを見ると腹が立ちます。何なら宝石店が襲われたよりも腹立たしいです。
お金の損失だけじゃない。
野菜を大きくして出荷の日を迎える。収穫する喜びを奪い去った罪は大きいです。
近くで育てている野菜は安くて新鮮です。規格外を売っているコンテナハウスはガソリン代もほぼかかりません。
わたしも、格安で買うことに罪の意識はないんですけどね。