男子が憑りつかれるという中2病。永遠に憑りつかれたままの方もたまにいらっしゃるようで、それを活かして仕事に活用されている方もいます。良いんじゃないでしょうか。案外天才と呼ばれる方たちの中にもいるかも知れません。
何かそれに似た現象が女子にも起こります。女子が男子より大人っぽい、なんて幻想に過ぎません。今の少女たちのことではありません。これは、あくまでもわたしの少女時代のお話。
女子は小学校5、6年になると男子より大人びてきます。好奇心も旺盛。何でもやりたがるようになります。
男子が天ぷら屋で天かすを買って大量食いで胸やけをおこしたり、アリをいじめたりしているころ、
ミシンでエプロンや手提げ袋を作ったり、リリアンを編んだり、お菓子を作ったり。
ここら辺まではオジサンたちの想像の範疇です。
やがて、いかれたポエムを作ったり、流行りの歌謡曲のくだらないエロ替え歌を作ったり自分たちにしか通用しない言葉で喋ったり、自作のバケモノ水族館を作ったりし始めます。
わたしにもロックな少女期がやって来ました。
小6の時、弟にTVを独占されていたので、本好きになり、世界こども名作全集なるものを読破したわたしはそれだけでは物足らなくなり、昔の本を読みだします。
子供用のダイジェスト版ではありません。正式版です。
子供じゃねえわ!GYAO!
少年探偵団。
紅はこべ。
怪盗紳士。
冒険ものに憑りつかれたわたしは友達に熱く語りだします。すると女子達の間に一大冒険ものブームがおとずれます。
その間男子は天かす食って、ふくらまし過ぎたフーセンガムを顔面に貼り付けています。
賛同してくれる女子に竹べらのスコップとチームの証の手作りバッジをあげて、少女探偵団結成です。
鉄工所の社長の娘がいたので、工場でパンチで抜いた鉄くずを持ってきてくれました。鉄くずとはいえ丸くて小さくて銀色。それに色マジックで着色していきます。キラキラして宝物のようです。女子はキラキラしたものが大好き。
よし、埋めよう。
宝を埋めるのが大ブームになりました。
当時流行り出したネスカフェやらクリープやらの空き瓶を持ち寄ります。鉄腕アトムで知った、タイムカプセルも埋めました。たしか、最も埋めてはいけない相撲の土俵のすぐそばでした。限度を知らない子供たちは学校の裏庭という裏庭を掘りつくします。
すると今度は別グループからの流行が入って来ました。石磨きです。
女子はピカピカしたものが大好き。素敵な形の石を拾ってきてただひたすら磨くだけ。でも磨くと宝石みたい。一時、引き出しの中は石だらけでした。一方少女探偵団も続行です。
昼休みになると理科室に集合。入室するのに何故か合言葉が必要です。骸骨標本。人体内部のポスター。謎の薬、いや知ってますけどね。雰囲気ばっちりです。そして、岩石標本。
引き出しを開けると、ありました。
黄銅鉱が!
わたしたちは悪党っぽく馬鹿笑い。
映画でよく見ました。”宝を発見して大笑いする金の亡者たち”のまねです。