マグロ漁を見るのが好きです。
TVで漁師さんの密着番組を見るのもお正月の楽しみです。
TVで見る漁師さん達の宴会は反社会勢力の方々の会合と見た目似ています。
ファッションセンスが似ているのです。
似ている所では長距離トラック運転手もセンスが近いです。女ウケを気にしない漢(おとこ)の世界だとこうなるのでしょうか。
漢の世界、センスは全く羨ましくないです。
テレ東のマグロ漁番組ではレジェンド漁師親子を追っていました。
父親は大型船を持っており装備も最新です。たぶん後を継ぐ予定の長男と何人かの船員が一緒に乗っています。
次男は借金して買った自分の船(小型船)を持っていて人件費節約のため一人で漁に出向きます。
勝手な想像ですがオレはオレ、このまま兄貴の下にはつきたくないのかもしれません。その、ちょっとヤンチャな気風、嫌いではありません。
彼は新しい船を買う希望を持っています。そのため他の人が出航しない時化の日にもマグロを狙って沖に出てしまいます。お兄さんが心配して一緒に乗ってくれる所はホッとする場面です。
お兄さん、少年漫画でいう所の主人公をいつでもそばで支えてくれる兄貴的存在(兄貴ですが)みたいです。
番組ではほかの漁師さんたちも追っています。一番見応えがあったのは大間港ではなく、青森龍飛の76歳の漁師さん。
中古の小型船。装備もGPSと旧式の魚群探知機、タコ漁に使う巻き上げ機のみ。
若えやつらが借金してでも大型船を欲しがり、最新装備を望むのとは真逆の生き方です。
彼は昔ながらの一本釣り漁のやり方で釣り上げます。テグスを切られないように、慎重に、勘をたよりに。
その姿はマグロとの格闘です。彼は漁の疲れをいやすお風呂で自分の腕を見せてくれるのですが、そんなに太くはありません。それでも海の男の日焼けした肌です。彼は言います、昔はあった力こぶが無くなってしまった、と。確かに若い漁師たちの腕の太さには適いません。
格闘に負けてテグスを切られてしまった時の失望感。
ドラマではこんなもん見せられても何ともないのですが、実際の話なので彼と同じ気分になります。
奥さんは海岸のゴミを毎日拾い、日本酒を海に撒いて海の神様に祷りを捧げます。
漁の安全、めぐみを与えてくれる海の神様に感謝をこめて。
彼女もまた、海の女です。
結局正月の一番マグロを水揚げしたのは番組で追っていた若い漁師でもレジェンド漁師でもなく、強運の凄腕漁師71歳の竹内さんでした。竹内さん、ちょっとカッコイイです。こちらもレジェンドですよね。