シナリオ始めました

初めてシナリオ書きました。誰かに読んで貰いたいので、ブログで公開します

お金が増える呪い『ミラグロマン』

 荒木飛呂彦さんの世界的人気漫画、ジョジョシリーズは、発表当初 ❝ ロマンホラー~深紅の秘伝説~ ❞ と言うサブタイトルがついていて連載当初はちょっとホラー色多めの漫画だったと記憶しています。

 その、ジョジョシリーズのうちの一つ ❝ ジョジョリオン ❞ の中に、無限にお金が増える物語が登場してきて、このホラー色強めのパートが結構人気なのです。

 これでちょっと思い出すのがギリシャ神話の、ミダース王の触ったもの全てを黄金に替える能力です。

ディオニューソスは、ミダースに対して彼が望むどんな報酬でも選択するよう言い、ミダースは、彼が触れるものすべてが黄金に変わるよう頼んだ。ミダースは彼の新しい力を喜び、それを急いで試した。彼がオークの小枝と石に触れると、両方とも金に変わった。狂喜して、彼は家に帰るとすぐに、使用人に豪華な食事をテーブルに用意するよう命じた。「そのようにリューディアの王ミダースは、触れるものすべてを黄金に変えられることを知ったとき、最初は誇らしさに得意がった。しかし、食べ物が硬くなり、飲み物が黄金の氷に固まるのを見たそのとき、ミダースはこの贈り物が破滅のもとであることを悟り、黄金を強く嫌悪しながら彼の願い事を呪った

 出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 お金や黄金なんてナンボあってもいいですからね。

 ちょっと待ってください。

 何かと交換できて初めて嬉しいもの。全てが黄金やお金になったところで仕方がありません。

 このジョジョリオンのお金の話はこうです。

 登場人物の中でも人としてクズ度の高い東方常秀。ある日レジで前の客が忘れていった財布をネコババしてしまいます。現金とカードを抜き取り、カードのパスワードも難なく解除。ほぼこの間、罪悪感がありません。財布は捨ててしまいますが、手にした現金で欲しかった高級時計を買おうとします。

 しかし、お店側から傷があったため、お売りできないと時計を取り返され、現金を返却されます。返ってきたお金は一万円余分だったのですが、またもやクズを発揮、黙っています。

 この調子で何か買う度お金が増えていきます。人間を介さない自動販売機ですら、買ったお金より、おつりの方が余分に返ってきます。

 捨てることも出来ません。親切なひとたちが拾ってくれて、余分に返ってきます。

 お金が使う度に増えて、永遠に減らない呪いなのです。

 この呪いを ❝ ミラグロマンの呪い ❞ と呼びます。

 永遠に減らないなんて嬉しいですか。

 嬉しいような気がしますよね。わたしだってお金は好きです。でも、誰かにあげることも出来ない金なのです。

 みんなこの、❝ミラグロマンの呪い❞を知っていて、受け取らないのです。

 たった一日で持つのが困難なほど鞄いっぱいになり、すぐに部屋からもお金があふれ出してしまうのです。

 出典元 作/荒木飛呂彦 ジョジョリオン14 集英社ジャンプコミックス

 

 大金持ちのみなさんが割と誰でも手に入れられる普通のTシャツにGパン姿をしていたり、そのくせ超くだらないことに大金を使うのをみると、お金の大事な使い方をしみじみ考えてしまいます。

 一生懸命働いて得たお金で欲しかったものをやっと手に入れる喜び。

 案外、尊いのかもしれません。