まだ生活家電が発達してないころ、お母さんたちは1日中家事に追われていました。
すべて人力ですからね。
洗濯機。
掃除機。
冷蔵庫。
電気炊飯器。
そしてキッチンも、近代化がドンドン進んでいきます。
お金持ちでもなんでもない一般市民のお母さんたち、時間の余裕ができると近所の婦人会の集まりに出たり、体操教室、着付け教室、茶道教室、料理教室等に参加したりして自分時間を謳歌し出します。
母も結構参加していました。
母が人生を楽しんでいたことは子供としては心安らぐお話です。
そして、社交的な母はつねに誰かから新しい手芸を教わってきます。
おかんアートと一括りにされる謎の手芸の数々。
生活に何の必要もないだろう、と言っては怒られます。
子供や夫たちだって生活に何の必要もないことを喜んでやっていますから。
石鹸に待ち針を刺して作る、ソープバスケットと言う名前がついていた置物。石鹸のかおりがトイレの芳香剤がわりです。香りは長持ちしません。
出典元/ソープバスケットー今大流行の石けん手芸テキスト
(フタミ手造りシリーズ1)
単行本ー1984/8/1
日本フラワー技芸協会(編集)
今大流行です…
厚紙を組み立てて千代紙を貼り付けてラッピングする、小引き出し、ティッシュケース、ペン立て。結構もらいました。たとえオシャレなシンプルデザインの部屋でも、雰囲気が一気に民芸調に。
チラシを細長く畳んで針金を通し竹や藤のように編み込んでニスを塗るチラシ籠。
意外と強度があります。
ホームセンターなどで商品の梱包時に使う結束バンドで、籠を作っている方々もいらっしゃいました。それを趣味にしている近所のおばあさんは、綺麗に洗った結束バンドがいつもお家の前に干してありました。
その後ベトナム雑貨店でブルーとイエローの結束バンドで編んだ買い物籠を見つけました。まさかの4800円です。
ベトナム製品が先かおかんアートが先かは分かりませんが。
何か損した気分になるので、ベトナム雑貨店で結束バンド籠だけは買わない所存です。
タオルを上手いこと折ったり一部を縫ったりして作るタオル製マスコット人形。
いざとなったら、ほどいてタオルに戻せます。大怪我をして血が止まらない時とか。絨毯にしみ込んだ赤ワインを今すぐ拭き取らなければならない時とか。
母はやりませんでしたが、電話、ドアノブ、トイレットペーパーカバーを編み物で飾るのは定番でした。中には冷蔵庫カバーを作った猛者も。
ばあちゃん手芸の集大成 pic.twitter.com/Em8bjlkyyH
— まるお2号🇯🇵(羊の皮を被った猫) (@maruon22) April 21, 2023
これはまるお2号🇯🇵さんの、tweetを使わせていただきました。
Tシャツを裂いて作るわらじ。年配層むけ婦人雑誌に作り方が載っていたりしました。Tシャツの組み合わせにセンスが問われます。
ビーズの人形。
ビーズでドラえもんやキティちゃんを作って孫にプレゼントし、嫌がられました。
材料費をあまりかけないところが堅実な主婦らしく微笑ましいです。
わたしは全く手芸をしなかったのですが、おかんアートは昔の主婦より忙しい今の主婦層にも健在です。なんと娘もやっています。
でも、何か違う。
若い人たちの手芸ってセンスいいんですよね。普通にカッコイイです。実用的です。
そんなの、おかんアートじゃない。