これは価値観多様化時代の”金の斧銀の斧”のおはなし。
この場合、木こりの優先順位は、1位.待たずに今すぐもらえる2年待ちの鉄の斧。だって木こりだもの。2位.金の斧。速攻売って、とりあえず鉄斧を買い、残りの金で2年待ちの斧が届くのを待つ。(結局鉄の斧)3位.銀の斧。銀マニアならレプリカとして部屋に飾り、ときどき磨いて楽しむでしょう。(オタクもいる)
価値観多様化の時代です。物をほしがる基準は人それぞれ、欲張りが金を欲しがるとも言えませんよねえ。
でも、泉に住む女神(時代遅れ)はそんなこと知りません。さすが女神様、お美しい。お優しくて神々しい、と尊ばれたい。そして、もちろんそれくらいでは斧は渡しません。彼とイカゲーム的なことをして遊びたいのです。
ずっとチャラついた嘘つきばかり続いたのでイライラしていたのです。金目当てで女神を見ようともしません。久しぶりに来た朴訥そうな若い男。タイプです。地獄に突き落とすも天国に召喚するも彼女の気分しだい。女神のSゴコロをそそります。
少しくらい遊んだっていいじゃないですか。正直だと褒めたたえ、欲しがっている金の斧を与えましょう。
でも、木こりにこう言われるのです。
鉄斧返して下せえ。明日から木こり出来ねえだよ。
女神なんてモテません。めんどくせえですから。