シナリオ始めました

初めてシナリオ書きました。誰かに読んで貰いたいので、ブログで公開します

仮想空間にて

  

 リモートワークは定着したんでしょうか。

 TVでよく見る、あれも。

 オシャレ人間たちが空間にゆとりのあるオフィスのアチコチで、好きに仕事していたり、イカす紙コップコーヒーをひと口飲んで、多肉植物が置いてあるオシャレなデスクに何気に置いてたりするヤツ。

  あれはたぶん架空世界の物語…

 コーヒーなんていったん飲んだら空になるまで止まらない飲み物ですからね。

 TVで紹介されるオフィスが嘘くさすぎて信じられない。あれじゃあ、鉄腕アトムの世界(古い)だよ。

 わたし、昔人間なんでしょうか…

 一時期リモートキャバクラが人気だったそうで。

 自分で酒とおつまみセットを用意して画面の向こうのキャバ嬢との会話を楽しむ。自分で用意したお酒を、自分でおかわりし、自分で作ったおつまみに舌鼓…もう、相手キャバ嬢じゃなくていいじゃん。好きなアイドルや女優の出ている何らかのお酒呑む映像で。きっと何か違うんでしょうね。

 わたしも、小林薫さんの、深夜食堂でも見ながら自分で作ったおつまみとお酒セットで楽しむか…相葉雅紀バーテンダー相手にカクテル缶呑むのもありかと…

 こういうのやりだすと、リモートキャバ嬢の仕事無くなりますね。

 人は想像力のある生き物。ある程度足らないものも想像力で補えます。

 こういう選択肢が増えて、実際に展示会やお芝居に行かなくてもネットでイベントを楽しめるのはいい時代になったと言えます。お金も暇もなくとも…

 わたしも本棚劇場をネットで知りました。

 いずれ、わたしのアバターが仮想都市に出かけていき、入館料をネット経由で支払い、博物館や劇場に入って、私に内部まで見せてくれるんでしょう。あんまり動けなくなったらそれもありかと。

 まあ生身体験の価値があがって、実際に体験する時の値段が高騰するかもしれませんが。

続きを読む

わが家には異世界へ通じる穴が開いている

 わが家では物が、よく無くなります。

 この前からスティック掃除機の頭の部分の取り換え部品、箒ブラシを探しているのにもう1週間も見つからない。代わりに5年前に無くなった柘植の櫛が見つかりました。長い異世界の旅からの帰還です。

 櫛じゃあ掃除機の頭にさせないわ。

 今日買ったはずのものが冷蔵庫に入っていない!これはもう、命取りです!ひょっとして買ったと思ってたのが買ってなかったのか…レシートで確認しようとするとレシートまでない!必要ない時にはあるのに、要るときには必ずと言っていいほどありません。関係ないけど筆ペンもそうですよねー。

 わが家ではゴミ袋を流しにそのまま置いてあるのですが、ゴミ袋だと思ってたらアサリの袋だった。おまえ、こんな所にいたのか。まだ大丈夫だから使っちゃおうーっと…ほら、命取りでしょう。

 銀行印と鍵が無かったことも。これは電車の中に落としてました。ほかの人には何のハンコかどこの鍵かもわかりません。だから大丈夫…

 …って大丈夫じゃなあああい!

 全部作り直して届けなければなりません。見つかってよかったよ。家の外だと探す場所が無限にあるからね…まあ、無限と言っても行ったことのないブラジルにはないと思いますが。

 リュックの外側についている小さいポケットに入れてたんですが、ファスナー開いてたんですね。

 小さいポケットはちょっとしたものを入れるためのもの。

 ほとんどのものがちょっとした物です。エコバッグ、鍵、携帯、リップクリーム、汗拭きガーゼがそこに…大きい方の本体はガラガラ…財布とマスクのスペアしか入ってなあああい!

 それに私が化粧もしなければ、ティッシュも持たない事がばれてしまったあああ。

 他にもSDカードやUSBも…これだけは無くしたくないので大きい入れ物に入れています。技術革新で、せっかく小さくなったのにね。

続きを読む

あくまでもていねいな暮らし風

 まあしてますけどね、ていねいな暮らし。gbの歌じゃない方のていねいな暮らし。してるんだけどね。何かね。違う気がする。

 麦茶は粒のやつをやかんで煮出してます。

 白湯も飲みます。お湯があるのに近くに急須がない時、取りに行くのめんどくせえから。

 野菜も地産地消。道の駅や野菜コンテナが近くにあるからね。安いから!でも農薬は使ってる。まいてるところ見てるから。

 発芽玄米入りごはん食もべてる。しかも自分で発芽させてる。前に発芽玄米買った時、しばらくして何か黒いけどまあいいか、と思ってたら腐ってたらしい。市販のものは腐らないと思ってた。で、自分で発芽させることに。自分は信用ならないですからね。腐ってないかチェックしますしね。

 何かモーニングルーティンが多すぎて起きてから朝食までが遠すぎる。

 玄米入りごはんなんで、圧力鍋で炊きます。朝起きたらすぐガス点火。

 起き抜けは口の中が雑菌でえらいことになってるらしいです。そこで、本で学んだロケットすすぎってやつでお口をすすぎ、使ってない間にたまった水道の水の中のトリハロメタンを流すため暫く流しっ放しに。あ、先にトリハロメタン水でお口をすすいでしまったああ!ウォーターサーバー、何か信用してないです。

 いきなり血糖値を上げないように無糖のトマトジュース飲みます。無糖です。武藤じゃないですよ。武藤は暴れますからね。

 部屋という部屋の窓を開けます。ボロ家なのに無駄に部屋数だけ多いのでうんざりです。

 昨日の残り物弁当を詰め合わせ、いったん温めたのに冷まします。雑菌の権威がTVで残り物を詰める時は温めるべきと言ってたので。

 仏様が先なので仏様にお供えします。あ、先に弁当にご飯つめてしまったあああ!

 歯医者に歯茎が下がっていて固いものを齧ると歯が抜けるので齧らないように言われてるので、ヨーグルトに入れるナッツとレーズンを刻みます。

 ヨーグルトを使ったから、ヨーグルトの種を牛乳に混ぜてセット。

 起きてから1時間経過しています。朝は味噌汁にご飯ですが、味噌汁を前日に作ってコレです。

 何か体に悪いことがしたい気分。

続きを読む

冷やし中華本人はマヨネーズをかけられたいのか

 朝はローカルニュースを見ています。交通情報と天気予報が詳細だからです。以前ファンの間で話題になっていた、伊藤健太郎くんのガールズコレクション、サプライズ登場もちゃんと放映されました。名古屋テレビ朝の情報番組ドデスカ!です。

 もちろん食に関する情報も東海3県寄り。本日(8月17日)去年放送されたとある情報を再放映していたので、ちょこっとご紹介。

 全国で冷やし中華にマヨネーズかける率上位3位を東海3県が占めている事実…嘘、もっと全国区だと思ってたよ…愛知が1位、かける率70%って。マヨネーズ文化の大阪どうした。

 息子は、おいなりさんにもマヨネーズかけます。わたしはかけんけど!

 ちなみに外で食べるとバカ高いんですよね冷やし中華。うちで作れば具沢山のうえ安いし。中華麺の入ったサラダ感覚なんでしょうかね。

 他にも、ドデスカ!情報。たこ焼きにキャベツ入れる文化、東海地区が独占してたよ…入れんのかい!キャベツが減らんがな。キャベツ、家に大量にあるのに。

 息子が大阪に下宿することになった時スーパーで赤みそ探して右往左往。1種類しかない!しかも家の近くのスーパーの倍以上の値段!赤味噌がポピュラーじゃないことは知ってたけどそこまで迫害せんでもよかろう。美味しいよ、赤みそ(泣)

 まさか、つけてみそかけてみそ 知ってるのは東海3県だけなんじゃあないでしょうね

 これ↓

 味は甘い味噌だれ味。

 キャベツにかけても美味しいですよ。大量にあるキャベツが減りますからねー。10本は多すぎだけど。

 調べたところ、ほかの地域でもカルディやドン・キホーテで買えるらしいです。

続きを読む

わたしはロボットではありません

カード会社のホームページでコレ、チェック入れさせられられますよね。チェック入れないとログイン出来ない仕組み。

円の中に❤とか△入れさせられるんですけど(ロボットはそんなことも出来んのか!)初期のころそんなの気づかずに何度もログイン入力し直しして、パスワード使えなくしたり。

そうか、わたしはロボットだったのか…

ロボットだから家にいたのに宅配便帰っていったのか…ロボットだから電話に出たとたんに切れたのか…

ひどい、差別だわ。わたしたちロボットに対する差別よ!

この調子じゃ一生パソコン使えやしねえ、とヘコんだり。

いまや60代の8割がパソコンンかスマホ使える時代。まだ時代には置いて行かれたくない年代なんです。

そのくせTVの影響で謎の中国人組織(まともな中国人ゴメン)に全財産持って行かれることを異様に恐れる私。パスワード、超複雑にして、メモなしでは打ちこめなかったり、そのまたメモをなくしたり…ああ、疲れたからもう掃除したくないよう…

いつか歳取ったらルンバ買うんだ。

って、歳取ってからルンバにたよるとあっと言う間に動けなくなるし!すでに歳とってるし!

これで、ワープロ使いだした世代ですからねー

今日は二つ折り携帯で写真を撮り、SDカードに取り込んでパソコンに移すという、面倒くさい手法でTwitterに写真のせました。息子がスイカ食べた後の写真です。

スマホじゃないんで。

続きを読む

推し活って何かうらやまし


推し活について②

私がツイートしているTwitterのタイムラインには伊藤健太郎さんのファンのかたのツイートが沢山見られます。それは私が彼が主演した映画冬薔薇について語ったからですが、推し活をもっと知りたい私にとってとても有難い事でした。

伊藤健太郎ファンブログはもともと結構のぞいていたのです。伊藤健太郎でヤフー検索してもいましたが、分量が違います。それと、悪意あるtweetは読んでも意味がありません。

アンケートには必ず健太郎くんに入れ、NHKの見たい番組にはアシガールと入れる。そんな方もいらっしゃいます。

無意味とは思いません。ドリパスで健太郎くんの舞台挨拶つき3作品が上演されたのですから。ファンの力の凄さを見た気がしました。

私だってアシガール続編は見たいです。

最近のテレビは見たくない、商品を買わない人達の意見ばかり聞いているような気がします。マスカレードホテルで食い逃げの客を捕まえたときに客を警察に突き出すのかと聞かれ、支配人さんがこう言っています。

「お金を払わない人はお客様ではありません」

 

何か素敵なアクセサリーを作る方も。こういうのが欲しいというのが原動力なんでしょうか。結構クオリティー高いです。

 

イラストを描く方も。イラストってインパクトあります。あんな格好がさせたい、こんな格好が見たい。毎日tweetを楽しみに見ています。今回、声かけしてブログに貼り付けさせてもらおうかと思いましたが、まだ貼り付けまで学んでいません……

 

推し活をすると礼儀正しくなるんでしょうか。愛にあふれた文章を読むと幸せになります。そんな方たちの日常も垣間見られます。息子さんが世界陸上に出たですって!

もう私、ストーカーみたいですね(笑)

レジで老人(私のことだけど)のいる列はなぜ混むのか


レジで自分の前に1人しかいないのに渋滞する事ってありますよね。

今日はそんな老人事情のお話。

先日、いつものようにクレジットカード決済をしようとして、カードを差し込もうとした時のこと。レジの人(多分新人)が

「画面が変わってから差し込んでください」

ええええ、今差し込んじゃったよう。抜いてもいいの?それとも画面が変わるまで待つのかな。

いちおう2分は待ちました。気が長いので放っておけば5分は待てます。とりあえず抜いて。それから更に待つこと1分。さすがにレジの人から入れて下さいと言われました。いやまだ、画面変わってないですけど。

そのあと凄い早口で「#$%&」

いま何つったの?

「グズグズすんなこのババア」?

「二度と来るんじゃねえよこの愚図」?

 

また、待ちました。ようやく通じてないことに気がついたようで言い直してくれました。ああ、抜いていいのね。

いつもの様に放っておいてくれたほうがスムーズだったぜ。老人じゃないんだから(老人だけど)

気持ちは分かります。私も選挙管理委員会でバイトしたことありますから。同じセリフを80回以上繰り返すと口がまわらなくなりますし、言うのがいやになりますから。

でも、あなたにとって80回目でも私にとっては初めて。

この店員さんタイミングも最悪でした。画面が変わる瞬間に声をかけられたので見逃したんです。

次の人にも同じセリフを超早口で繰り返し、

「はあ?」

と聞き返されていました。

あの、大きなお世話かもしれないけど、ゆっくり喋ったほうが早いんじゃないの?

レジで手間取ったし急ぐんで放っておきますけど。

何故かいま、ガラスの仮面の谷部分だけをご紹介

ついに書き溜めていた全ての作品を吐き出してしまいました。満足してしまいました。しかし、シナリオなくてもチョコチョコ書きたいことを書いて行きたいと思います。とりあえずブログ名はそのままにしとこーっと。

 

私はいまリアル世界での、一人の俳優がどん底から復活する物語を追っています。

でも今日は40代以上の女性なら知らない人はいない「ガラスの仮面」その最も有名な谷部分について語ります。最近の漫画はドンドン成長していくばかりで谷部分が描かれる作品が減りました。

みんな読者アンケートのせいや

主人公が苦労するところなど見たくないという読者のニーズ?確かに谷部分は人気ないです。

でも、そんなニーズほっとけ!

谷部分あっての山部分なのに。

以下少しネタバレ。

 

大河ドラマ出演も決まり人気もうなぎのぼり。順調な女優人生を送っていたマヤは策略にはまり、ある日突然大失態をやらかしてしまいます。

 

出演作品だけでなく、CMもすべてキャンセル、週刊誌にはあることないこと書かれ、ついに逃げ出してしまいます。

芸能界追放。と言うだけでなく本人がやる気を失っているのです。

ここから彼女は立ち直るのですが、もちろん仕事はありません。

 

学校へ行けばヒソヒソ噂され、演劇部にも入部を断られたり、オーディションを受けにいって水をかけられたり馬鹿にされて笑われたり酷い侮辱を受けます。

 

しかしこれが最後と思っていた舞台のあとでマヤはこう言います。

「わたし、お芝居がしたい」

魂の叫びです。

者が彼女の再生を確信する瞬間です。

あの有名な

恐ろしい子…」というセリフも谷部分で登場します。

 

大丈夫。結局舞台はどこにでもあり一人でもお芝居出来るからです。

そして、誰もが敵ではないのです。

 

この一文を書くにあたって、ガラスの仮面を読み返しました。感動して泣きながら読み返しました。ストーリー進行の記憶が前後していますが泣いているので気にしません(しろよ)

 

彼女のほとんどの作品を読んでいるつもりでしたが、ネットで検索もしました。作者の美内すずえさんは私と同い年だと思っていたら3つ年上だった事も判明しました。この歳になるまで友達の適当な言葉をずっと信じ込んでいたのです。彼女がデビューした時私は中学生でした。同い歳の子がデビューした。クラスでちょっとした騒ぎになりました。友達にだまされました。高校生だったんですね。それでも凄いですけれど。

 

彼女はデビュー間もなく200ページの前後編大作を載せました。しかも面白い!

「赤い女神」という秘境冒険ものでした。

それまで秘境冒険ものを描く少女漫画家などいませんでした。

 

ガラスの仮面は令和4年8月のいま、まだ完結していません。

ファンとしては何とか完走してほしいですが、彼女はほかに未完成作品もあります。へたにちっちゃくまとまって終わらせるより、大きく広げた余韻のまま終わった方が良かったと思う人が出るかもしれません。気が向くまでゆっくり待つことにします。

続きを読む

二人の料理人(最終回)

二人の料理人 後編                     

 

暗転:

 カッコイイ曲。

 料理スタジアムにタキシード姿の司会者が立つ。

MC「混戦の料理戦を勝ち抜いて来た勇者共よ、出てこいや~!!」

 三人の料理人が登場。

MC「そして迎え打つはこの3人、」

 3人の審査員にスポットライトが当たる。

 

MC「審査員和食 ミスター味っ子

 子供審査員。

小次郎「キャーかわいい~」

 手を振る小次郎。

 子供審査員、はにかみながら 手を振り返す。

武藏「おい、自由だな」

MC「洋食 めいたいけんオーナーシェフ MAXなんちゃら」

 凄い色黒のシェフ登場。

小次郎「MAXきゃっほー」

MAX「MAXきゃっほー」

MC「グルメ評論家 Watabe ken」

 全員無表情。

 Watabe立ち上がって。

Watabe「おい、何でだよ!」

 

MC「挑戦者 さすらいの出張料理人 横浜武蔵!」

 包丁を2本掛け合わせ不敵に笑う武蔵。

 

MC「YouTuber料理人 伊藤小次郎!」

 長刀を舐める小次郎。

小次郎「いててて」

MC「止めろや危険な真似は!」

 

MC「最後はガチ普通サラリーマン 鈴木浩介!」

 普通にお辞儀。スーツにエプロン姿。

MC「誰?」

鈴木「さっき通りかかった、ここの局員です」

 MC、アシスタントに詰め寄る。

アシスタント「急遽なんで許してください」

 MC、舌打ち。気を取り直し

MC「1回戦、弁当対決!始め!」

暗転:

MC「さて挑戦者達の作品を見て行こう、1人目普通サラリーマン鈴木!」

卵焼き、ミニハンバーグ、ウインナー、茹でブロッコリー至って普通の弁当。

MC「このハンバーグは手作りですか」

鈴木「冷凍です」

MC「番組潰す気かぁ~!」

 

 続いて伊藤小次郎。超小さい弁当箱を出す

MC「小っちゃいですね」

小次郎「題してコビトさん用ナノ弁当箱なの」

MC「… 何だろう、技術は凄いのにハラしか立たない」

 

 続いて横浜武蔵。超豪華な三段お重。

武藏「一段目鮑、伊勢海老等、二段目松坂牛、トリュフ、三段目筍御飯!下準備に23時間掛かった」

MC「下準備って反則なんじゃあ、それに材料費にいくら掛けてんだ」

武藏「10万円程」

MC「馬鹿だ、お前ら絶対馬鹿だ!」

武藏「フッ、知らんのか、イケメンのほとんどが馬鹿だと言う事実を」

小次郎「ナノ弁当がどっかへ飛んでったぁ」

 画面を見て頭を抱えるディレクター

D「何とかしろ!このままじゃあの普通のオヤジが勝っちゃうだろ、武蔵小次郎対決がぁ」

AD「しょうがないでしょう、本来の出場予定の挑戦者達がマリファナパーティやって捕まっちゃたんだから。全国86位と88位とうちの局員対決ですよ」

D「あいつら、そこそこ料理出来たはずなんだがな」

AD「破天荒なんですよねやることが。大人の手綱ついてないから。失敗させます鈴木に」

 しかし、間に合わず3人の審査員が鈴木の旗を上げる。

 

暗転:

MC「2回戦ジャンク料理!」

 カッコイイ曲

解説の声「おおっこれは武蔵不利かぁ」

解説アシスタント「あの人ジャンクの意味すら知らなそうですからね」

 切り替わって会場。

武蔵「俺には秘策がある。取りあえずパンを焼くとするか、4時間程掛かるがな」

MC「止めろ~い」

鈴木「行列の出来るパン屋さんに買い出しに行って来ます」

 フジパンの景品のエコバッグをだす鈴木。

小次郎「僕はヤマザキ春のパンまつりのお皿集めてるからヤマザキパンにしよっと」

MC「ついでか。この仕事は皿集めのついでなのか!おい、おまえら」

 5時間後

MC「さて挑戦者鈴木の料理から」

鈴木「いやあ料理と呼べる程の料理では」

 サンドイッチを見せる。

鈴木「行列の出来るパン屋で買ったパンに隣の卵焼き専門店で買った厚焼き卵をサンドしました」

MC「本当に料理と呼べる程の物じゃないな!」

鈴木「でも美味しいでしょ、凄いでしょ」

MC「行列のできるパン屋と厚焼き玉子屋がな」

 

 続いて小次郎。

小次郎「はい!おにぎりサンドです。サンドイッチの中味がおにぎり!」

MC「おにぎりの具は」

小次郎「ちっちゃなサンドイッチ、そのサンドイッチの具がおにぎり!エンドレス~ほら。ほらほらほら」

 MCが殴りかかろうとして取り押さえられる。

 

 そして武蔵。

武藏「もうちょっと待ってくれ、パンが焼きあがった所だ。具のチャーシューに味も染みとらん」

MC「5時間待ってますけど?てめえ制限時守れ~!」

 

 審査員の旗は全員鈴木。

 

暗転:

MC「さて第3戦!身体にイイ朝食!」

 小次郎がガッツポーズ。

MC「貴様、もう変な物作るなよ!」

小次郎「ふふふ、それはどうかな」

MC「どうかな?じゃないだろ。武蔵くん、今のところ全敗ですが勝算は?」

武蔵「必ず勝つ!」

MC「小次郎くんは?」

小次郎「得意分野得意分野!負ける気しないし!」

MC「鈴木さんは」

鈴木「2勝してるんだから私の勝ちでは?」

MC「最終戦は3ポイントです。最終戦に勝った人が勝ち」

鈴木「… ああそう来たか」

 

暗転:


MC「お待たせしました最後の勝負は朝食対決、まずはミスター鈴木」

鈴木「私の朝食は意表をついてアメリカ風」

MC「コーンフレークやないかい!」

鈴木「いえフルーツグラノーラです!inスーパーで買ったヨーグルト」

MC「おーい、賞金少な過ぎたんじゃねえかあ」

 

 続いて小次郎。

小次郎「トマトって体にイイですよね」

MC「ん、やな予感」

小次郎「まず乾燥トマトの出汁にミキサーにかけたトマト汁、称してトマト味噌汁、具は3色プチトマト。御飯の代わりに刻んだトマト。ヘルシィーー、生トマトジュースを添えて」

MC「シェフのお薦めランチみたいに言うんじゃねぇ」

武蔵「フッ、勝ったな」

武蔵「貴様はトマトに頼り過ぎだ、これを見ろ!」

 豪華な旅館の朝食セット。

MC「いや豪華ですけど何か新しい物が何もないって言うか」

武蔵「朝食とはそう言う物なり。毎日出して飽きない事が大事なのだ」

MC「尤もらしい事言ってますけど、こんなの毎日出せませんよ、面倒臭くて、あんた1時間かけたでしょう」

武蔵「いかんのか」

MC「何開き直ってんのあんた、武士か」

 

暗転:

MC「さて、運命の第三戦、勝者は」

 

 ドラムロール。

 旗は小次郎に挙がる。喜び跳ねる小次郎。

 

小次郎「ワーイ勝った勝った!賞金ちょーだい!」

 司会者から賞金をふんだくるとサッサと帰ろうとする。

MC「待てい、もっと余韻を持たんか!」

鈴木「ま、負けた…」

 悔しがる鈴木。

MC「あんた悔しがる程の事してないだろ」

武蔵「小次郎、これで勝ったと思うなよ!」

小次郎「勝ったよね、俺?」

MC「うん、勝った、ハラ立つけど」

武蔵「これは負けじゃない、勝つ途中だ」

MC「すんごい負け惜しみ」

 呆れるMC。

 洋食のMAXキャホーに小次郎がスカウトされている。

武蔵「いやいや師匠誘うなら私でしょう」

MAX「だって何か気が合うんだもん」

 すっかり小次郎がお気に召したMAX。

MC「こいつ、料理界を震撼させますよ」

小次郎「え?俺そんなに凄い?」

MC「いや、ダメにするって意味で」

鈴木「参加賞下さい」

MC「テレビに出られた思い出を有り難く胸にしまっとけ」

 

 エンディング曲をバックに

〇TV局 外(俯瞰)

 寂しく歩き出す武蔵。追いかけてくる小次郎、戸塚。

武蔵「放っといてくれ。古臭いといわれた… 時代遅れだと」

小次郎「そこまで言われてないよ、新しいものが一つもないって言われただけで」

戸塚「追い打ちをかけるー」

小次郎「そりゃ俺みたいに料理界の革命児とは言われなかったけどさあ」

戸塚「そんなこと言われてないだろ」

小次郎「気にすんな、才能のかけらもないクソ野郎、ブタ野郎とは言われたけどそんなに悪くないから」

戸塚「ひ、酷い」

武蔵「うるせえぇいきなり上から目線か!お前はもっと気にしろ!」

小次郎、戸塚「お、立ち直った」

 

 キッチンカーで店をきり廻している2人。女子に大人気。

 武蔵がボイパを始めたとたん一人もいなくなる。

 

 戸塚も交えて大騒ぎしてYouTube撮影する3人。

 

~終わり~

続きを読む

二人の料理人 中編(全3部)

二人の料理人       前編続き

武蔵「仕事が入った」

小次郎「仕事って必殺仕事人?」

武蔵「出張料理人!何だ必殺って、お前が切られたヤツじゃねえか」

小次郎「見たい見たい~、付いて行く」

武蔵「付いてくんなー遊びじゃない!」

小次郎「イイじゃん、弟子たちとして付いて行くから」

武蔵「たち?二人共付いて来る気か!その下っ端感満載のそっちの男は兎も角」

 戸塚を指した後、小次郎を見て、

武蔵「貴様はいかにも金持ちの馬鹿のボンボン… 」

二人「うわぁ… 口悪い、失礼しちゃうわ」

 

〇同 夜

小次郎「ゆ、赦して… 」

 寝言で謝る小次郎。

 それを聞いている武蔵。

武藏「お前も何か辛い事があるんだな」

小次郎「ごめんなさい」「赦してください」

 小次郎を抱きしめる武蔵。

武藏「俺は赦すぞ」

小次郎「うう、すみません(泣く)」

武藏「… 」

小次郎「ごめんなさい… 」

 

武藏「うるせえぇ!そんなに謝っても赦してくれないならもう、なぐっちまえぇ」

 うなされてピクピクする小次郎。

 

〇翌朝

 全裸で眠っている小次郎。

 

武藏「だから何でだあ」

 

〇同日 相模家(大邸宅)

 板前姿の武蔵。

 Tシャツにジーンズ前掛け、和風バンダナ姿の二人を従えてやって来た。

登美子夫人「本日は宜しくお願いしますね」

小次郎「オ~お美しいマダム(見つめる)」

小次郎、武蔵に叩かれる。武蔵、献立を出し、

武蔵「いいな、俺の言う通りにやって貰うぞ、まず戸塚は里芋をむく、小次郎は魚を捌く」

戸塚「うわぁこれ一人でやる積もりだったの」

武蔵「いつもはな。お前らを信用して任せるんだから失敗したら指切り落とす」

戸塚「ひ、ひーリアル指切りげんまん」

小次郎「いや、リアルなら本物の針を千本飲まされるんだよ」

戸塚「そうかあ、指ぐらいなら死なないけど、針千本は死んじゃうもんね」

 笑いあう二人。

 気がついて急にソワソワし始める。

武蔵「会食は1時始まり、焼き方小次郎、煮方戸塚、一同始めい!」

 アタフタ始める二人。

小次郎「恐ぇぇ、楽しくねぇぇぇ」

 


〇同屋敷内 午後1:00 

 美人社長、美人棋士、美人女将等、総勢美人十人のマウント会食が始まる。美人の暑苦しさにひと息ついた二人は勝手に屋敷を散策。

 

〇剝製部屋

小次郎「この虎の剝製リアル~」

戸塚「それ、剝製じゃないよ小次郎」

 剥製が動き出す。

 屋敷から飛び出して絶叫する小次郎。戻って来て虎に顔を舐められる。

小次郎「ご飯を作りに来たのに自分がご飯になる~」

戸塚「うまいうまい」

小次郎「うまいじゃねえわ、室内で虎飼うなら言っといてよね」

 小次郎、鳥の剝製を放り投げ、

小次郎「それ、トラ、取りにいけー」

 虎、鳥を追いかけて行く。

戸塚「雑。それに絶対トラって名前じゃないし」

 戸塚が後ずさり。

 高そうな壺を取り落としそうになり小次郎がキャッチ。

小次郎「セーフ」

 その拍子に襖を蹴破り鎧を破壊。

小次郎「… そうでもなかった」

 やって来た武蔵。

武蔵「休むなぁー、とっとと片付けろ!」

小次郎「師匠、師匠!」

 武蔵の裾を掴む小次郎。

武蔵「何だよ急に師匠だなんて(照れる)」

小次郎「弟子の失敗は師匠の失敗だよね」

 破壊された部屋を見て絶叫しそうになり戸塚に口を押えられる武蔵。

 武蔵、一旦外に出て絶叫、また戻ってくる。

 

戸塚「トムとジェリーでこんなシーンあったね」

 

〇同 会食後

 後片付けが終わって夫人から心付けを貰う三人。

夫人「美味しかったわよ。ご苦労様」

 手を握り返す小次郎。武蔵に頭を叩かれる。

小次郎「僕に気があるかと思って」

武蔵「目線合ったら惚れてると思うな!壊したのバレない内にけえるぞ」

二人「へい!」

 物凄いスピードで撤収する三人。

小次郎「これってギャラいくら?」

武蔵「30万円、うち材料費25万円」

小次郎「割に合わねえぇぇ」

 遠くでぎゃあぁぁと言う悲鳴が聞こえる。

 小次郎が気にして振り返る。

武蔵「放っておけ、あんな虎なんか飼ってるような女」

戸塚「ムチャクチャだあぁ」

 

〇同日 小次郎マンション

YouTube番組厨房小次郎

:

小次郎「今日は武蔵の付き合いで買い出しに行く暇なかったんですが、材料ならあります!」

 伊勢海老や鯛の頭を示す

小次郎「武蔵の馬鹿が材料費に25万も掛けやがったのでこんなに豪華な余り物が!伊勢海老1尾8000円ですよ、馬鹿じゃな~い。まず鯛のアラを焼いときます」

小次郎「続いて伊勢海老のミソ入り味噌汁」

武蔵が味見して「うーむ、お前至上一番旨いぞ」

小次郎「やだ褒め上手」

小次郎「でアラで炊いた鯛飯、庭からパクって来た三つ葉をぱらりと」

武蔵「まともな料理出来るじゃねぇか!」

小次郎「更に武蔵の作った突き出し3点、師匠天才、綺麗、映え~」

武蔵「つまみ食い程度ならともかく勝手にお持ち帰りするなぁぁ」

小次郎「美人バイオリニストにくれって言ったらくれたの、結構キュート。気の強い女好き」

武藏「あの虎より気の荒いあの女に… お前すごいな」

戸塚「僕も美人女医にお菓子貰った、いい匂いした。百回抱ける」

武藏「あのスタイルだけ無駄にいい、失礼な女か。このドMやろうども。おまえらセンスがおかしい」

小次郎「武蔵くん、余興のボイパがドン引きだったからね」

戸塚「あんなに騒がしかった美人会がシーン」

小次郎「練習の成果出ず、ウフフ」

戸塚「イヒヒ」

小次郎「けけけ」

戸塚「カカカ」

 悪代官と三河屋みたいに笑う二人。

 

武蔵「うわーん!」

 それを試聴しているテレビ局の人。

 

〇同 夜

 小次郎の彼女がやって来る。

 両手を広げて出迎える小次郎。抱き合う二人。

武藏「貴様、修行中の身で女がいるのか!?」

小次郎「そりゃいるよう。女もいなくて何の為に生きてるんだよぉ」

武藏「百年早いわ!」

小次郎「いや、百年も経ったら遅いけどね… 」

 くっつくカップル。

戸塚「じゃあ僕はこれで」

 帰る戸塚。カップル二人の視線が武蔵を射抜く。

武藏「さあて疲れた。寝るかな」

小次郎「武蔵、今日はどっか泊まったら」

武藏「いや俺は大丈夫、一度寝たら何があっても絶対起きないから」

 あくまでも言い張る武蔵。

小次郎「しょうがないなぁ」

 彼女が無言で小次郎をボカボカ叩く。

 

〇同 夜中

 とっとと眠ってしまう小次郎。

スミ(彼女)「ってお前が寝るなぁ!」

 同じベッドで小次郎の頭をはたく彼女。

 隣の部屋で壁にコップを当てて聞いている武蔵。舌打ち

 

〇同 翌朝

 例によって全裸で眠る小次郎。

スミ「何もしないくせに何で裸だぁ!」

 小次郎のケツを叩く彼女。

小次郎「ううん…」

 寝ぼけながら彼女を抱き寄せる小次郎。いきなりドアが開いて武蔵が

武藏「朝飯は和か洋か」

 二人の様子を見て

武藏「お前ら朝派か!」

小次郎「朝派って何だよう。デリカシーの欠片もないな!スミたん味噌汁だよね」

スミ「うるっせえ」

 頬を平手打ちされる小次郎。思わず横を向いて噴く武蔵。

 スミは帰ってしまう。

武藏「無口でなかなかワイルドな彼女だな」

小次郎「何もしてないのに!」

武藏「何もしないのがマズイのだ、女に恥をかかせるな。一晩中耳をすませてた俺の身にもなれ!」

小次郎「そうか、お前一晩中耳をすませてたのか」

武藏「そうだよ」

小次郎「堂々と言うなあ」

武藏「(せき払い)取りあえず服は着たらどうだ」

小次郎「ドレスコード?」

武藏「ちがーう、何で平気なんだ全裸で」

 

暗転:

武藏「ところでキッチンカーを借りたんだが、手伝わないか」

 壁に貼ってある小次郎の調理師免許をチラと見る。

小次郎「いいよ、何作るの?」

武藏「芋煮だ、看板も用意した」

 武蔵(いい男風)と小次郎(バカ風)、戸塚に至っては猿の似顔絵が添えられて、

"俺たちの芋煮"と書いてある。

小次郎「もう俺たち手伝うの前提じゃん」

武藏「先に野菜は切っておくからな、手伝え」

 いつの間にか野菜が準備されている。

小次郎「部屋を乗っ取られる~」

 戸塚もやって来て一緒に手伝わされる。

 


〇キャンプ場

 出店をする3人。女子の行列が出来ている。

 人気に浮かれる3人。女子がワーキャー騒いでいる。

戸塚「(嬉しそうに)もうないよ」

武藏「魚釣ってこい、女どもを逃すんじゃねえ」

戸塚「山賊ですか、あんた」

 小次郎は勝手に"武蔵のものまね一回1000円"と看板を出している。

武藏「おい!」

小次郎「じゃあボイパにする?」

武蔵「すみません許してください」

D「君達」

 3人が振り返る。

D「厨房小次郎の人だよね」

小次郎「あい」

D「今度料理人頂上決戦って番組をやるんだが出ないか?」

武藏「断る!」

 即答する武蔵。

 断られるとは思わなかったテレビディレクター。

D「いやあのチームイケメンで出て貰いたいんだが」

武藏「顔関係ないだろ!」

戸塚「俺出てもいいかな」

D「君はいいかな」

戸塚「… ぇぇー」

小次郎「賞金いくら?」

D「25万円」

小次郎「武蔵、部屋借りられるよ」

武藏「ううむ」

D「審査員はミスター味っ子さんですよ」

小次郎「あの?キャー出る出る」

武藏「いややるなら俺はこいつと対決したい」

 小次郎を見る。

小次郎「え、俺?いやだぁお、小次郎武蔵じゃ俺負けるの決定じゃん」

D「巌流島か悪くないか」

小次郎「俺は嫌だぁ負けるからぁー」

武藏「ホウ貴様自信がないと、勝負の前から逃げ出すヘタレだと」

小次郎「いや、そう言う訳じゃ」

武藏「美人女子アナに会いたくないと」

小次郎「会いたいに決まってるし。会いたくない男いねぇし、何なら女優より好きだし」

武藏「スミたんは」

小次郎「お前がスミたん言うな。ス、スミたんには見られない様にする」

二人揃って「女子アナ出るんだろうな!」

D「ぺーぺーの男性アナの積もりだったけどベテランの女子アナにするから」

二人「いやそこはベテランじゃない方が」

 

戸塚「あんた達… 」

後編に続く

続きを読む

二人の料理人 前編(全3部)

二人の料理人    作/toyoda順子


〇登場人物
横浜武蔵 出張料理人 ジャンル・和食
伊藤小次郎 ユーチューブ料理人 ノンジャンル 
戸梶 小次郎の仕事仲間

登美子夫人 武蔵に出張料理をたのむ 虎好き
スミたん 小次郎の彼女 

キッチンドラゴンディレクター
キッチンドラゴンMC
鈴木 キッチンドラゴン挑戦者

味沢良一/和食 キッチンドラゴン審査員(子役)
MAXキャッホー/洋食 キッチンドラゴン審査員
Watabe ken/グルメ評論家 キッチンドラゴン審査員

 

二人の人     

 

〇山の麓 ガラガラのキャンプ場

ソロキャンプをしている若い男。夜も更けて焚き火に薪を追加、ハーモニカを踊りながら吹きだし、更に謎の部族ダンスを踊りだす。ビールを開け、IKKO、桑田佳祐梅沢富美男のモノマネをひととおりやりつくして満足し、ボイスパーカッションの練習を始める。めちゃくちゃ下手くそ。

 

横浜武蔵(ソロキャンプの男)「さて、宴もたけなわとなりましたがソロソロお開きといたします」

 自分で言って火を消し、テントに入る。寝ようとして、

武蔵「ぎゃあああ!(大絶叫)」

 見知らぬ全裸の男が抱きついて来たのだ。

武蔵「誰だぁーお前!」

伊藤小次郎(裸の男)「さむい~」

武蔵「服を着ろぉぉ」

小次郎「服を下さ~い」

武蔵「出てけぇ~」

小次郎「助けてぇブルブル~強く抱いて… 」

武蔵「気色悪い事を言うなぁぁー」

小次郎「さっきあんなに楽しそうだったじゃないですかぁ… 一人なのに」

武蔵「聞いてた?」

小次郎「ハーモニカの所から」

武蔵「証拠隠滅!(小次郎の首を絞めようとする)」

小次郎「やめてー」

武蔵「うお… 」

 更に抱きつく小次郎。首をクキっと落とされ失神する武蔵。くんずほぐれつのまま就寝。

 

〇キャンプ場 翌朝

 服を借りて着ている小次郎。テントから這い出してきた武蔵。

武蔵「クソ、あんな状況なのに寝てしまった(首をひねる)」

小次郎「おはよう。昨日のお礼に味噌汁作ったYO」

 味噌汁をさしだす。

武蔵「俺の材料だがな」

 受け取った武蔵は飲んでホウという顔。

武蔵「服はどうしたんだ、何で全裸だったんだ」

小次郎「全裸野球って知ってる?」

武蔵「聞いた事がないな」

小次郎「選手が全員全裸なんだ。なのに(クスクス笑う)帽子とスパイクだけ履いてんの、帽子ないとどっちのチームか分かんないでしょ」

武藏「スパイクは」

小次郎「ケガするからね」

武藏「いや、それならユニフォームも着ないと」

小次郎「でも監督も全裸なんだよ」

武藏「ああ、全裸監督… 何だこの話!」

 二人で崖下に落ちているビリビリのパンツを拾う。

 更にその少し上に千切れたTシャツが枝に引っかかっている。

 崖の途中、あちこちに引っかかっている服。

 崖上にはジャケットがボロボロの状態で落ちている

 クマ出没の立て札。

武藏「… 」

 

〇武蔵想像(紙芝居風の絵):

 クマにビックリして崖から転げ落ちるヘタ絵の小次郎。岩にジャケットが引っかかる。「うわー」

 途中木の枝にネルシャツが引っかかり、破れる。「うわー」

 更に転げ落ちながらドンドン服が脱げていくヘタ絵小次郎。「うわー、うわー」

 

〇想像戻り

小次郎「全裸野球チームで町に繰り出して飲みに行った。女の子達にモテモテだったんだ、女子も含めて全員裸でお酒飲んでべろべろに酔っ払って… あれは夢だったのかな」

武藏「かなり早い段階で夢だな」

小次郎「お礼したいんだけど」

武蔵「いいからとっとと帰れ」

小次郎「やだクールな男、あんな馬鹿みたいなモノマネしてたくせに」

武蔵「うるせえ!こっちは一人が好きでここに来てるんだよ」

小次郎「そうだよね一人じゃなきゃあんな恥ずかしい真似できないもんね」

武蔵「殺す!」

 首を絞める。

小次郎「分かったよ、帰るから。服、洗濯して返すから住所おしえて」

武蔵「お前には教えない」

小次郎「そんな、夕べは抱いたり抱かれたり。主に俺が抱いたんだけど」

武蔵「妙なことをいうなぁ」

 このやり取りが延々と続き次第にフェードアウト。

 

〇数日後 街中

    

 街中で偶然、武蔵を見かける小次郎。

 小次郎「おーいイケメンくーん」

 20人位が気取って振り返る(ブサイク混じり)が武蔵は知らん顔。

小次郎「イケメンくんってば」

武蔵「そんな名前で俺を呼ぶなぁ」

小次郎「ほらほらオレオレ、この前キャンプで味噌汁飲ませてやった俺」

武蔵「普通、世話になった事のほうを言わないか」

小次郎「抱いたり抱かれたり」

武蔵「二度と声をかけるんじゃねえ」

 無視してずんずん行こうとする。

小次郎「服、おじちゃんが服買ってあげるから」

 小次郎、武蔵の手首をつかむ。

小次郎「プリティーウーマン♪」

武蔵「自分で歌うんだ… 」

    ~バックに流れる小次郎が歌うプリティーウーマンの曲♪

 お店で服を選ぶ小次郎。武蔵に服をあてる。何軒かはしご。

小次郎「俺んちそこだから」

 マンションを指す。袋を大量に抱えた武蔵がついて来る。

 

〇マンションの中 小次郎の部屋

 武蔵を部屋の中へ案内。デッカいキッチン、撮影用機材。

 早速武蔵は調理道具をチェック。

武蔵「ううむ、手入れは悪くない」

 指で埃をチェック。

小次郎「お姑さんか!」

武蔵「貴様は何をする人だ」

小次郎「おいおい口が悪いなイケメンくん」

武蔵「その名で呼ぶな恥ずかしい」

小次郎「お料理YouTuberなんだ」

武蔵「それは職業として成り立つのか?」

小次郎「うん、こんなマンションにも住めるし」

武蔵「俺は出張料理人 横浜… ベイスターズファンの」

小次郎「名前は?」

武蔵「横浜… 銀蠅どうしてるかな」

小次郎「名前!」

武藏「横浜武蔵だ。武蔵様もしくは兄貴、先生と呼べ」

小次郎「うわぁ… ドSキャラ、俺伊藤小次郎」

武蔵「小次郎って… フッ俺の勝ちだな」

小次郎「負けてないよ、横浜なんてだせえ名前のくせしやがって…チクショウ何か悔しい」

武藏「同業者か」

小次郎「何か作ってよイケメンくん」

武蔵「俺のさっきのセリフは独り言か?」

 ずかずかと冷蔵庫を開けて中をチェック。料理を作り出す。撮影しだす小次郎。

小次郎「和食だね、もう美味しそう」

武蔵「伊藤は?」

小次郎「行き当たりばったりだけど」

 武蔵が小次郎の胸倉を掴む。

武蔵「日々精進してる俺が家もないのに、そんないい加減な奴がこんないい所に住んでんのか!」

小次郎「ソロキャンパーかと思ったらお家のない人だったんだ… なんなら泊ってく?」

武蔵「お前不用心だぞ!見も知らない男を泊めるなんて」

小次郎「じゃあ帰って見も知らぬ人」

武蔵「(自分のリュックを見て)いやそこまで言うなら泊まってやってもいいが」

小次郎「面倒くせぇぇぇぇ」

 

〇同 明け方

 全裸で眠る小次郎。周りに服が散らばっている。起きてそれを見て納得する武蔵。眠りながら服を取ろうとする小次郎。手が届く直前に更に遠くへ押しやる武蔵。薄笑い。

 いきなり武蔵の後ろから抱きつく小次郎。

小次郎「服を下さ~い」

武蔵「裸で抱きつくなぁー!」

小次郎「寒いよぉ」

武蔵「分かった!俺が悪かった」

 いつまでも繰り返し。

〇同 朝

 朝ご飯を用意する小次郎。味噌汁を飲んで納得する武蔵。

武蔵「味噌汁は旨い」

 いきなり部屋に入ってくる戸塚。

戸塚「ハーイ撮影始めるよぉ(武蔵を見て)誰?」

小次郎「俺の味噌汁大好き男、食い物で男釣っちゃった」

戸塚「ほーら小次郎の男癖が始まった」

武藏「何!」

戸塚「僕も味噌汁頂戴。癖になるよね小次郎の味噌汁」

小次郎「魔法の粉入ってるから。法に触れないギリギリのやつ、ガハハハ」

 味噌汁を吹き出す武蔵

武蔵「おまえら真実だけを喋れー」

 豊洲で買って来たブリを取り出す戸塚。覗き込む武蔵。

武蔵「目利きは悪くない」

 二人でキャッキャッキャッふざけながら器用に切り分けた後、ベビースターラーメンを砕いて貼り付け油で揚げている。

 太鼓を叩く戸塚。

 隣の住人が入って来る、

隣人「毎日毎日やかましいぃ」

 血まみれの包丁と3人の若い男を見て

隣人「と、言うヤツがいるかもしれないから注意しろ(ぺコパの松陰寺風に)」

 静かに帰って行く隣人。

武蔵「ここのセキュリティーはどうなっているんだ、にしても何じゃあその料理はぁ!」

 怯えた表情の二人。

小次郎「駄目ですかぁ!?」

武藏「ブリが台無しじゃねぇかぁー!貸せバカやろ」

 取り上げてブリを調理しだす。

 

暗転:

 調理されたブリを不満そうに見下ろす小次郎と戸塚。

小次郎「ただのブリ大根だよね」

武蔵「食べてみろ」

二人「美味しい」

武蔵「どうだ」

小次郎「いや知ってるけどそう言う事じゃなく、どうせ味は伝わらないんだし、料理はエンターテイメント、面白可笑しく…」

武蔵「やかましい!料理とは食材に捧げる愛だ!貴様とは相容れん様だな」

戸塚「何か面倒くせぇぇ」

武蔵「帰る」

二人「どうぞどうぞ」

 太鼓を連打する戸塚。

 一旦出て行った後、戻ってくる武蔵。

武蔵「もう1日位泊まってやってもいいぞ、それから不用心だぞお前ら、玄関かっとけ。オートロックどうした」

 ひっくり返る二人。

テレビ:勇壮なカッコイイ音楽

全国料理人コンテスト 審査員 和食ミスター味っ子板長(味沢良一) 洋食(たいめいけん三代目 MAXなんちゃら) グルメ評論家(Watabe ken)

ナレーション「全国料理人のトップを決める料理人の祭典、集え料理人共!」

 その声をバックに電話に応じる武蔵。

武蔵「はい、はい、分かりました」

 二人を見て

武蔵「仕事が入った」

中編に続く

続きを読む

巌流島ってタイトルどうよ?

         

どーもー伝説の家政婦順子です、違います。自分の家の料理さえ青息吐息です。

 

巌流島。伊藤君、横浜流星君との共演、実現しなくて残念でしたね。でも、あのビジュアルにはやられました。ポスター解禁されてから半年ぐらいしてから見たんですけどね。武蔵と小次郎、役が逆じゃないか、って話もありましたね。見た目ですよね?でも小次郎は背が高くないと。通称“物干し竿”という長刀を振り回すので。

 

沢山の人が武蔵をやっています。小次郎役は若かったり、オジサンだったり、男っぽかったり、美少年だったり、と解釈は色々ですが、吉川英治の小説“宮本武蔵”があまりにも面白く、その中の小次郎のイメージを覆すのに作家さん、みな四苦八苦しています。そういえばデビュー当時の高倉健さんが映画で小次郎を演じています。ちょっと意外ですね。

 

45年ほど前に小林信彦さんが書いた小説、オヨヨ大統領シリーズのひとつに料理人の武蔵小次郎対決を描いた“大統領の晩餐”という傑作があります。

内容は猫、美食、武蔵小次郎対決と盛り沢山で何か今風。こんな面白い小説、私も書いてみたい。いや今書かないと。

今回料理人の武蔵小次郎対決を書くにあたってタイトルには悩みました。キッチンドラゴンとか料理ー1グランプリとか出てきてしまったからです。こういうのは早い者勝ちです。お料理対決というのは、漫画「包丁人味平」以来幾度となく扱われてきたテーマです。

私の前2作を読んでいただいた方はもう薄々気付いたと思いますがコメディー作家です。毎週土曜日は吉本新喜劇見ながら昼ご飯食べてます。喜劇以外は書けません。

私にとっての喜劇最高傑作は「日本一の無責任男」です。

しかも、料理にたいして自信もありません。そこそこ旨けりゃOKなタイプ。じゃなぜ料理人対決書くのか? 

そういうの見るの好きだから。

書くにはそれで十分!

まあ、料理描写が雑ですけど。

(本編は5時ごろ投稿します)

続きを読む

毎日海に向かって叫んでるのかと思ったら訪れてくれた人もいた事を知る

今日からオイラは!を読んで下さってありがとうございます。町内いちの出しゃばりおヨネtoyoda順子です。いや違います、ごみ捨ての時くらいしか人に会いません。

 

今日は推し活について。

10年以上まえですが。実家から帰る電車の駅で、オシャレしたおばさま軍団に出会ったのです。いや、ただのオシャレじゃありません。綺麗なんです。

 

何というか恋する乙女?幸せオーラが内面からにじみ出てる。

おばさまの一人に聞いてみました。

氷川きよしくんのコンサートがあったの」と

 

氷川きよし凄い!おばさま達をこんなに輝かせるなんて。氷川日本に必要と思いました。

 

これが推し活との出会いです。

そしてパート先での韓流好き軍団。人に合わせない私の馬鹿!

誰が好き?と聞かれて

名探偵コナン」って…

唯一いた男性職員さんでさえ合わせて韓流ドラマ見てたのに。

 

まあいいんですけど。のけものにされたわけでもありませんし。むしろ向こうが合わせてくれましたよ。王家の紋章面白いねって…。いや好きだけど。ありったけの漫画知識を出して合わせてくれて何かすみません…

ただ、人生損してる私と思ったのも事実。

ヨン様ブームだった当時、同僚たちはDVD買っているにも関わらず、パチンコ「冬ソナ」打ちに行ったりヨン様経営のレストランに食事に行ったり…楽しそうでした。

人生こんな楽しみ方がある。

次の推し活を見たのはネットで劇場版今日から俺は!の公式サイトを見たとき。

ドラマ版の感想も出てきます。そして出演している色んな俳優さんのファンブログも目についてきます。見ないでおこう、きり無いから。と思いました…でもまた今日俺のことが知りたくなります。そもそも漫画の今日から俺は!が好きなので。

ついに伊藤くんのファンブログをのぞく事に。

イケメン若手俳優の中で新田真剣佑伊藤健太郎だけは見分けがついていました。顔が特殊だったから。美形マッチョの真剣佑と武者人形のような健太郎、あの顔でツンツンヘヤーにされたら絶対忘れません。

ファンの方たちの推し活動をブログで見るのが私の日課になりました。

伊藤健太郎のファンのファン?いやいやいや、いやいやいやいや…

続きを読む

今日からオイラは!後編


今日からオイラは 後編  作/toyoda順子

湯屋の客のイメージはシソンヌです。若君暗殺集団は知ってるかな?アニメ、ヤッターマンの実働部隊(自分達で役割を連呼して進む)通称ビックリドッキリメカのイメージです。

〇街中

 謝礼を貰って買い食いをしている健太郎

賢さん「相変わらず色気より食い気か?」

健太郎「そう思うだろう?どっこいオイラにゃお菜名ちゃんと言ういいひとがいるんだよお。相思相愛、相思相愛」

賢さん「お前の勘違いだと思うぞ」

 懐を確かめる健太郎

健太郎「よし、晩にあの夜鳴き蕎麦屋行って話の続きが聞けるぞ」

賢さん「お前、明日もあの絵描きのモデルに行くんだろ?たまにゃ風呂入った方がよくねえか?」

健太郎「大丈夫、井戸水で洗っとくから」


賢さん「野菜洗ったり、洗濯したりするそばで体洗うのかい?怒られるぞ」

健太郎「怒られないよ、オバサン達がおかずくれるんだ」

 賢さん少しひいて。

賢さん「何だろう。天性のスケこまし… いいから奢ってやるから」

 賢さん、健太郎の体を押して湯屋へ、

 

〇回想

賢さん「オイラが湯屋へ誘って確かめて来てやるよ。ヤツは前を隠さない性格と見た」

 

〇回想戻り 湯屋

 暖簾の中に入って行く健太郎と賢さん。

健太郎「(キョロキョロと)湯屋なんて初めて」

賢さん「おいおいおい、まさか一度も風呂入ったことないなんて言うんじゃないよな」

健太郎「寺小姓だったときは入ってた。上人さまが入れって」

賢さん「まあ堂々と」

健太郎「13の時にはもう、上人さまよりでっかくなっちゃてて、他にも色々あって追い出された。何ならまだ賢さんなら相手できるよ」

賢さん「俺は間に合ってるから」

 その後を怪しい集団が入って行く、全員匕首を持っている。

集団「鼠径部、鼠径部、鼠径部(ヤッターマンのビックリドッキリメカの口調で)」

 全員鼠径部に各県の痣。

インサート

指圧の局「その者が若君だったら、殺してしまうのじゃ」

IN戻り

集団「暗殺。暗殺。暗殺」

湯屋の客じろう「ちょいと様子のいい女が口元隠して来るんだよ」

健太郎・賢さん「え?」

 聞き耳を立てる二人。

 同じく聞き耳を立てる怪しい集団。

じろう「あたし綺麗?って聞くわけ」

 興味津々のじろうの連れ(ハセ)

 聞き耳を立てて近づく健太郎と賢さん。

 同じく聞き耳を立てて近づく怪しい集団。

じろう「そりゃまあ、綺麗だよ、って答えるわな」

はせ「で?」

 更に近づく健太郎と賢さん。

 更に近づく怪しい集団。

集団「聞き耳、聞き耳、聞き耳」

 いつの間にかじろうの周りに人垣が出来ている。

じろう「すると女が隠していた口元を見せて」

 びったりじろうにくっつく二人。

 その二人にびったりくっつく怪しい集団。

じろう「これでも綺麗かあー!

ハセ「ぎゃあああ!

賢さん「わあああああ!

健太郎どえええええ!

 湯屋の客、一斉に逃げ出す。匕首が一杯落ちている。

健太郎「生まれてから一番怖い話聞いたわあー」

賢さん「お前、めちゃめちゃ命狙われているじゃねえか」

 桶で急所を隠している健太郎、鼠径部の柄が見える。柄は千葉県。

健太郎「何か興奮してアソコが… 」

 桶から手を放す健太郎。手を放しても桶が落ちない。

 健太郎の頭をはたく賢さん。

〇街中 人気のない通り

 紙に鹿児島県の痣を画いてみせる賢さん。

賢さん「こんな痣だった」

お菜名「違う…そんな」

賢さん「痣ならオイラにもあるぜ」

 堂々と鼠径部を見せる賢さん。

〇回想

刺青師「いいのかい兄さん、股にこんな変なスミ入れて」

 賢さん「構うことねえからやっちゃって」

 

〇回想戻り

お菜名「でももう一つの証が」

賢さん「これかい?」

 ガネーシャの根付を見せる。

 

 インサート

 着物をひっくり返して何かを探す健太郎

健太郎「あれ?」

 

IN戻り

お菜名「ではあなた様が、若君様」

 平伏。

 

〇城外観

〇城中 

吉田鋼膳と笑いの局、賢さんが親子の対面を果たす。泣きながら抱き合う三人。

 大名の姿で奥の廊下をスキップしながら歩く賢さん。

 平伏している5人の腰元たち。賢さん、一人の前に立ち、

賢さん「名は何と申す」

 顔を上げる腰元。

お菜名「はい、菜名と」

 

天守

 並んで立つ大名と奥方の姿のお菜名と賢さん。

お菜名「では健太郎とは何者だったのでしょう」

賢さん「気になるかい」

お菜名「あんな暮らしをしていてもどこか気品が」

賢さん「案ずるな、そのうち家臣に取り立ててやるから」

 

インサート

 春画制作がバレ、手鎖の刑を受ける北斎風絵師。モデルをしていたまりかと健太郎もお縄になり、番屋に引っ張られて行く。

お蓉「(泣きながら)健ちゃん健ちゃああん」

 追いすがろうとするお蓉。引っ張られる二人。

 5、6人のお姉さま達が健太郎の名前を叫びながら追いかけてくる。

 

 IN戻り

賢さん「それまで生きてたらな!

〇街中 橋のそば

 この者 三日間の晒し者に処す の立て札。

 はだけた格好で縛られて晒されているまりか。おじさん達が寄ってくる。

変なギャグを延々見せられるまりか。

 

 別の場所で縛られて晒し者になっている健太郎。ボコボコにされ顔、体中血だらけ痣だらけで失神状態。

 

 着物の女がやってくる。後ろ姿で顔は見えない。

女「ねえ、あたし綺麗?」

 健太郎を顎クイ。

女「あたし綺麗?」

 健太郎、気絶したまま気づかず。

女「コラア綺麗かって聞いてんだよ、オイ無視すんなあ」

  

 歌(エンディング)

              終わり 

何か色々すみません。数えたら6600文字位になっちゃった。気分的には2時間ドラマのつもりだったんですが。今日俺メンバー総出演、名前は何となく当てはめて妄想していただければ。次作は巌流島お料理人バージョンです。

今日からオイラは!中編

 蕎麦屋のイメージは佐藤二朗さんです。アドリブ入れそうですね。

〇夜鳴き蕎麦屋

 蕎麦をすする健太郎

蕎麦屋「兄ちゃん久しぶりだねえ、どうしてたの?」

健太郎「悪さして捕まっちゃって… 」

蕎麦屋「あらら」

健太郎「捕まってボコボコに殴られて寄場に送られて… 」

蕎麦屋「ねえ、それ実話?実話?オジサン泣いちゃうんだけど」

健太郎「おまけに借金7憶9千万」

蕎麦屋「何それ地方都市の1年分の予算?」

健太郎「笑っちゃうよね」

蕎麦屋「わはははは」

健太郎「笑うなよ!」

蕎麦屋「ところで知ってる?口裂け女… 」

健太郎「何怖い」

蕎麦屋「ちょっといい風情の女が口元隠して歩いてんのよ」

 健太郎の怯えた顔

蕎麦屋「女が、あたし綺麗?って聞くわけ」

 健太郎の怯えた顔

蕎麦屋「こっちはマァ、ウンウンって言うわな」

 健太郎の怯えた顔。

蕎麦屋「ところで御奉行所で、どんなお取り調べを?石抱かされたり、吊るされたりすんの?」

 

インサート 

 何故か蕎麦屋が石を抱かされたり、吊るされたりしている。恍惚の表情。

 

IN戻り

健太郎「そんなおっかない事はされないよ… 石切り場へ船で連れてかれて毎日毎日石運んだり、石切り出したり… 毎日毎日石抱いたり吊るしたり」

蕎麦屋「結局、石抱かされたり吊るされたりしてるのね」

健太郎「いや、抱かされたり吊るされたりしてるのは石のほうで」

 

インサート

 石切り場で働く罪人たち。

 突然苦しみだし、バタバタ倒れだす。

健太郎MO「俺以外流行り病にやられちゃって、穴掘って埋めてたの、したら最初に倒れたやつが穴から這い上がって来ちゃって… 」

 せっせと死体を埋める健太郎。穴から這いだす男。どす黒いゾンビ顔。

 

蕎麦屋「ひいいいー」

健太郎「まだ死んでないぞバカやろって、そしたら次々と穴から這い上がって来ちゃって、まだ死んでないぞバカまだ死んでないぞバカやろって」

蕎麦屋「あんたがそそそっかしいだけの話だよね、怖がって損した」

健太郎「ちょっと、そっちの話の続きは?」

蕎麦屋「続きはまた明日蕎麦食べに来てちょうだいよー」

健太郎「お願い、気になる所で止めないで」

 

 聞き耳を立ててるお菜々。

お菜々「クソ、いいところで!」

健太郎「ああ怖かった。何だよあの蕎麦屋

 


 突如現れるチンピラ集団。健太郎に襲いかかる。

 器用にかわす健太郎、しかし喉元に刃が。

 お菜々が割って入る。そこへ遊び人風の男も加勢に入り、チンピラ集団は逃げて行く。

 

健太郎「ありがとうございます。姐さん達強いねえ、お名前は?」

男「オイラは遊び人の賢さん、姐さん名前は?」

お菜名「あたしはお菜名」

賢さん「おいそこの馬鹿、名前は」

健太郎「オイラ健太郎、馬鹿じゃないけど」

賢さん「物騒だから家まで送ってやるよ」

 

〇貧乏長屋の奥

 長屋の住民(おばさん)が顔を出す

お蓉「健ちゃん、残り物だけど、おかず食べるかい」

 健太郎嬉しそうに受け取る

 部屋には掻い巻きと風呂敷きに包まれた着物があるだけ

 

賢さん「荷物これだけか?」

健太郎「そうだよ。仲間と一緒に住んでんだけど。お城の工事に行ったきり帰ってこねえ」

賢さん「お江戸はすぐ人が消えちゃうねえ、お前も気をつけな。じゃオイラはこれで」

健太郎「アニキ、また逢える?」

賢さん「お前が必要とすれば、な」

健太郎「どこに住んでんの?怖いからここにいてよ」

お菜名「じゃあね」

健太郎「姐さん、怖いから一緒に寝てよ、ほら搔巻の中に一緒に」

賢さん「調子に乗るなー」

 二人引き上げるがお菜名は外で見張り

 

〇中野屋外

 チンピラ集団に襲われて着物が脱げた状態で伸びている大賀。

 横にとばっちりを食って同じく着物が脱げた状態の丁稚。

 二人とも鼠径部には何もない。

 見た途端に引き上げるチンピラ集団。

 同じくとっとと引き上げるお佑美。

 

〇貧乏長屋の奥 健太郎の家

 明け方そっと忍び込むお菜名。健太郎夜着をはだけて鼠径部を確認しようとするが寝相が悪すぎて苦戦する。

 目を覚ました健太郎。お菜名と向かいあう。

 

健太郎「何何何」

お菜名「気にしないで」

健太郎「言ってくれればオイラいつでも受け入れるのに」

お菜名「違う違う勘違いしないで、ただちょっと鼠径部を確認したかっただけなの」

健太郎「いいのよいいのよ、そんなに照れないでも」

(回想)お館「菜名よ、女の武器を使え」

お菜名「うるっせえ」

 お菜名頭の中の頭領にパンチ

お菜名「お願い、何も言わずに鼠径部見せて」

健太郎「恥ずかしいけどいいよー。じゃまずは菜名ちゃんから」

 菜名の着物を脱がそうとする。

お菜名「こらあ、どさくさに紛れて!しのごの言わず鼠径部見せろい」

 お菜名、健太郎を押し返す。

 

健太郎「朝っぱらからそんな事されたらオイラ… 」

 健太郎、お菜名を押し倒す

 視線を感じて二人出入り口を見る。

 北斎風絵師が二人をスケッチしている。

お菜名「キャー」

 

北斎風絵師「構わんよ、続けて」

 お菜名逃げ出す

絵師「昨日の続き描きたいから来てくれ」

健太郎「ほいきたガッテン」

 お蓉が顔を出す。

お容「健ちゃん、知ってる?口裂け女の噂… 」

健太郎「え… 」

 凍りつく健太郎

お蓉「ああそうそう健ちゃんオニギリ食べるかい?」

健太郎「うん!」

絵師「この女たらし!」

 健太郎のいない部屋 。家捜しをするお菜名

賢さん「ただの物取りじゃ無さそうだが」

 対峙する二人

賢さん「おっと、こっちは別に敵って訳じゃねえ、怖い顔しなさんな」

お菜名「… 」

賢さん「健太郎の鼠径部に何か特徴でもあんのか」

賢さん「本人に聞いてみたらいいじゃねえか」

 

                          後編につづく

続きを読む